オマケ104 ページ8
気持ち悪い、少し熱が出てしまい学校を休み。
部屋で横になっていた。ウトウトした私の目を覚ましたのは外から聞こえた豪音だった。
有り得ないほどの音に重たい身体を引き摺り外に出た、
「なに、これ」
空を真っ黒な雲が覆い、目の前に広がる街は
近界民の手により崩壊されていた。
崩れるビル、
響く崩壊の音、
時折見える閃光
なによりもすぐ近くにいる、大型の近界民。
「迅さん、早すぎません...?」
取り敢えず、逃げないと。
玄関に掛けてあったコートを掴み、絶対に忘れてはいけないギターケースを掴んで家を飛び出した。
いつもと違う、体調のせいで走るのが物凄く辛い
ボーダー隊員は何処にも居ない
どれだけ、辛くても走るしか無いんだろう…助けはこないんだから
そう、頼んだのは自分だから
予知は当たるのだろうか、私はどうなるのだろうか
頭を埋めるのは知っていた未来と、それから逃れようとする気持ちと、絶望
沢山向き合わなきゃならないことがあったのに
否、諦めることは許されない。
後ろで、大きな爆音が聞こえた。それと共に起こる爆風に私は飛ばされて
地面に身体を打ち付ける。
今までのなによりも痛かった、起き上がろうとするのと共に足への違和感に気づいた
起き上がれない、そんな絶望が私を襲う。
下半身は瓦礫に潰されていて、ビクリとも動かない。それ以前にもう力を入れることすらままならなかった。なんとか、出ようと踏ん張るがガキの一人の力で何倍もありそうな瓦礫は退かせないどころか、ずらすことすらできなかった…
だんだんと息が浅くなってくる、踏ん張る力すらなくなってくる、周りの音が小さくなっていく、視界が暗くなってくる……
「ア、ァ」
諦めたくないという気持ちと裏腹に周りが赤で染められる、追い討ちをかけるかのように。また閃光と爆音、そして爆風。そしてズキリと痛む身体
光が見えなくなった。
それは瓦礫が私を全て埋めたからか、もう目を閉じきってしまったからか…分からない。
身体が動かなくなった。
それは瓦礫のせいか、自分の意識が無くなってきたか…分からない。
少しだけ動いた手に何かが当たった。
この感覚はギターケース、最後まで一緒にいてくれるんだ
ありがとう
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あ - 号泣でした (7月24日 12時) (レス) id: 63a9fa29e6 (このIDを非表示/違反報告)
あ - 最初の方を読んでたときは、加古さんと双葉ちゃんに出会って助けられていく話だと思っていたけど、そこからシリアスな展開になっていって想像を覆されたので面白かったです。 (7月24日 12時) (レス) @page26 id: 63a9fa29e6 (このIDを非表示/違反報告)
黒灰白有無%(プロフ) - 完結おめでとうございます!よく3姉妹で比べられていてこの作品は思い改めて話し合うきっかけになってくれたし心を軽くしてくれて本当に感謝してます一つの作品としてもとても面白かったです!個人的にbatEND好きなのでこれはこれで良かったなと思いますし感動しました! (2023年4月10日 4時) (レス) @page29 id: 00e0ebd256 (このIDを非表示/違反報告)
優璃 - なんかもう色々起こり過ぎて泣くことしかできませんでした。私も東大に通う姉がいてよく比べられます。凄いことくらい知ってるから自分のことも見てほしい気持ちもすごく納得できました。私もこの小説の主人公の様に「私は私」という言葉を思い出して頑張っていきます。 (2022年8月13日 0時) (レス) @page29 id: 190960af7c (このIDを非表示/違反報告)
杏里 - 久しぶりに何回も泣きました。iPadのケースの上にたくさんシミが出来ました。私もよく比べられます。この小説を読んで自分に向き合うことができました。 (2021年8月21日 18時) (レス) id: 5e2264f03f (このIDを非表示/違反報告)
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