姉さんのオマケ 3［ワールドトリガー］

姉さん2 ページ42

「だってAは、あまりスカートとかはかないでしょ？
もう少し女の子らしくしないとダメよ。性格とか見た目とかはちゃんと女の子らしいのに、勿体無いわ。ほら、これ着てみなさい。」
反論する暇さえ与えないで、試着室に押し込まれる。いやセンスはいいんだけどね。私の趣味に合わないかなぁなんて。


一応着て、鏡を見るけどやっぱり似合わないと思う。まあ、さっきのよりは気に入ったけど。
気を使ってくれたのか一応ブラウス系なのだが、襟元にはキラキラと装飾されていて。
下はもちろんスカートで、濃紺という色は好きなんだけどな‥‥
しゃがみ込んでもう一回自分の姿を見る、やっぱこういう可愛いのは姉さんとか双葉とかが似合うと思う。私なんかが着てもねぇ

「姉さん着終わったよ。」
扉を開けて声をかけるも姉さんはそこに居なかった。どこだろうと思って歩いて探してみると、アクセサリーや靴が置いてあるエリアで首をひねっている。そこまで悩んでくれなくてもいいのに。


「姉さん、」
「どうしたの？あら、やっぱりさっきのよりこっちのほうが似合うわね。A、その服だったらこっちとこっち どっちが合うかしら」
「‥‥右。
ねえ、なんでそんなに悩んでくれてるの？それに自分のじゃなくて私のだし。姉さんが悩む必要、そんなに無いと思うんですけど。」


すると、一瞬キョトンとした顔だったがすぐにきれいに笑う。
「だって今まで全然こういう風に出かけたことなんて無かったでしょ？だから、少しでもその分を取り戻したいって思ったの。
　やっとちゃんとした姉妹になれたんだもの、それぐらいしたいわ。」

と頭を撫でられる。優しい撫で方
姉さんの言葉遣いが心にしみる。なんだか他人行儀だった自分が情けなくなって

「そっか。
姉さん、あっちに姉さんに似合いそうな服あったから着て。」
しっかりと手をつかんで引っ張った。


「！そう、なら着てみようかしら？」




隙間だらけだった姉妹との間、少しずつその隙間は埋まっていった。





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