風間さん2 ページ33
目も前に立つ男性は目をすっと細めて私を見る
嫌なことを、思い出してしまい。その視線から逃れるように目を逸らしてしまう。…絶対嫌な奴って思われた。
「‥‥Aだったか。」
名前を呼ばれてビクリと肩が揺れてしまう。というより何で名前知ってるんだろうか。
「そんな格好では、冷える。早く中に入れ。」
先程の目とは違って優しい心配する言葉がかけられて、困惑してしまう。
確か、この人は
「人酔いしてしまって、少し気分転換しようと思ったので少し外に出てしまいました。すぐ戻りますよ。そういう、貴方も冷えてしまいますよ?
風間さん。」
風間さんだったはず。
私の言葉を聞き、少し驚いたような表情をしたけれどすぐ戻って
手にもつペットボトルを見せる
「俺は酔い覚ましだ。すぐ戻る。
お前はその手に持つものを見る限りすぐ戻るようには見えないがな」
簡単に見破られました。ハイ。
うつむくと隣にボスりと座り、肩に自分の着ていた。ファーコートをかけてくれた。
「いいですよ、風邪をひかれたくありませんので自分で着ていてください。」
返そうとするが
「良い。俺は酒が入っていて少し熱いくらいだからな‥‥弾いてから入るんだろう?
なら、一曲弾いたら戻るぞ。」
‥‥男前。
そしてなんか、手慣れてる感じがする。
「早く弾け。酔いがさめるだろう」
すこしだけ、口角を上げて笑う風間さん。断れない・・・・
「判りました」
自分の地味に気に入っている曲を弾いていく。
静かな夜に溶け込むような優しい曲、鼻歌を交えながら弾き終わると
ふと、隣の風間さんの息が一定に静かになっていることに気づく。終わったらすぐ戻ると言っていたのになんでだろう・・・・?もしや、と思い横を見ると
思った通り静かに寝息をたてる風間さんの姿。
「風間さん、起きてください。風邪ひきますよ。」
ゆすっても起きない、どうしよう
とりあえず貸してもらったファーコートを返して
家の中でちょうど起きた、木崎さんに運んでもらいました。
次の日の朝、木崎さんと風間さん以外二日酔いで…朝起きたらお二人でキッチンに立ち朝食を作っていたのを見て笑いかけました。
「A、ギター上手かった。また機会があったら聞かせてくれ。」
と、言われてかなり嬉しくて
こんな事のあった、素敵な夜だった。
____________
燐様、リクエストありがとうございました。書き直し受け付けます。
220人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あ - 号泣でした (7月24日 12時) (レス) id: 63a9fa29e6 (このIDを非表示/違反報告)
あ - 最初の方を読んでたときは、加古さんと双葉ちゃんに出会って助けられていく話だと思っていたけど、そこからシリアスな展開になっていって想像を覆されたので面白かったです。 (7月24日 12時) (レス) @page26 id: 63a9fa29e6 (このIDを非表示/違反報告)
黒灰白有無%(プロフ) - 完結おめでとうございます!よく3姉妹で比べられていてこの作品は思い改めて話し合うきっかけになってくれたし心を軽くしてくれて本当に感謝してます一つの作品としてもとても面白かったです!個人的にbatEND好きなのでこれはこれで良かったなと思いますし感動しました! (2023年4月10日 4時) (レス) @page29 id: 00e0ebd256 (このIDを非表示/違反報告)
優璃 - なんかもう色々起こり過ぎて泣くことしかできませんでした。私も東大に通う姉がいてよく比べられます。凄いことくらい知ってるから自分のことも見てほしい気持ちもすごく納得できました。私もこの小説の主人公の様に「私は私」という言葉を思い出して頑張っていきます。 (2022年8月13日 0時) (レス) @page29 id: 190960af7c (このIDを非表示/違反報告)
杏里 - 久しぶりに何回も泣きました。iPadのケースの上にたくさんシミが出来ました。私もよく比べられます。この小説を読んで自分に向き合うことができました。 (2021年8月21日 18時) (レス) id: 5e2264f03f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ