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オマケ107 ページ11

真夜中の集中治療室、
機械から酸素を送る音、ゆっくりだが心臓の動きを伝える音、そして複数人の息遣い


市立病院の一室のベットに横たわるA
それを囲む私達

お父さんにお母さん
加古先輩、双葉ちゃん、迅さんに出水先輩

お父さんは何かを考え込むように、腕を組んで眉間に皺を寄せている。
お母さんは力が抜けたかのように、椅子に座り込んでいる。
双葉ちゃんは声をできるだけ出さないように、時々嗚咽を漏らしながら泣いている。
加古先輩はそんな双葉ちゃんの肩を抱き、静かに涙を流している。
迅さんは読めない顔で、俯いている。
出水先輩は何が何だか分からないとでもいうかのように、ただ呆然としている。

そんな私は、一番離れた位置で拳を握りしめていた。


振り払われた手は、恐怖に染まった瞳は今でも覚えている。
伝えたかった、思いも今でも頭に残ってる。
自分の無力さを呪ってしまいそうで、お姉ちゃんになれなかった弱さがもう嫌になってしまった。

ピッ

私は、またAと仲良くなりたいよ。あの一緒にピアノを引いてた時みたいに、また


ピッ


だからさ、話してみましょう?仲直りして一緒に住まないかしら?


ピッ

貴女が私を嫌っていても


ピッ

私は貴女のこと

ピッ

大好きよ



終わりの音が無常にも告げた



「アアアァ、A!!」

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- 号泣でした (7月24日 12時) (レス) id: 63a9fa29e6 (このIDを非表示/違反報告)
- 最初の方を読んでたときは、加古さんと双葉ちゃんに出会って助けられていく話だと思っていたけど、そこからシリアスな展開になっていって想像を覆されたので面白かったです。 (7月24日 12時) (レス) @page26 id: 63a9fa29e6 (このIDを非表示/違反報告)
黒灰白有無%(プロフ) - 完結おめでとうございます!よく3姉妹で比べられていてこの作品は思い改めて話し合うきっかけになってくれたし心を軽くしてくれて本当に感謝してます一つの作品としてもとても面白かったです!個人的にbatEND好きなのでこれはこれで良かったなと思いますし感動しました! (2023年4月10日 4時) (レス) @page29 id: 00e0ebd256 (このIDを非表示/違反報告)
優璃 - なんかもう色々起こり過ぎて泣くことしかできませんでした。私も東大に通う姉がいてよく比べられます。凄いことくらい知ってるから自分のことも見てほしい気持ちもすごく納得できました。私もこの小説の主人公の様に「私は私」という言葉を思い出して頑張っていきます。 (2022年8月13日 0時) (レス) @page29 id: 190960af7c (このIDを非表示/違反報告)
杏里 - 久しぶりに何回も泣きました。iPadのケースの上にたくさんシミが出来ました。私もよく比べられます。この小説を読んで自分に向き合うことができました。 (2021年8月21日 18時) (レス) id: 5e2264f03f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:勉学を嫌う者 | 作者ホームページ:http  
作成日時:2017年3月31日 10時

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