姉さんのオマケ［ワールドトリガー］

オマケ24 ページ24

音を立てて壊れた私の相棒に手を伸ばす、その手は父の手により阻止された

「そんなもの忘れなさい。今からでも遅くない勉強しろ。そして挫折の道から抜け出して藍のようになれ」


そんなこと言われても思うことは何も無い、有るのは只の虚無感だけ


「これでいいのよ、ね？A
これでやっとこんな惨めな想いをしなくてもいいのよ！貴女はすぐ藍みたいになれるわ、そうに決まってる。これから怠けてた分頑張りなさいね、あの子は凄くいい子だから貴女もああなると思うと嬉しくてたまらないわ」

嗚呼、分かった。今まで何回怒られたって頑張ってきた。まだ希望を捨てられていないって感じてたから、でもこれで分かった。


私は望まれてなんて無い、ただ



二人は自分が惨めな想いをしたくない
そして…


私を第二の姉さんにしたいだけ



私としてなんて一回も見たことがないんだ。



もう努力してたのも、いつかは…なんて希望を持ってた自分さえ
全否定されたみたいに、意味無いよって嘲笑われたみたいな気がした



嗚呼、全部全部

全部全部全部ばっか馬鹿しい




「本当に馬鹿みたい。

希望なんか抱いてた私も、あなた達も姉さんも みんなみんな馬鹿らしい

私は姉さんじゃない。私は私なのよ！なのにあなた達は、姉さん姉さん姉さん姉さん。何時も私に姉さんの形を全部押し付けてくる。なんにも見てないくせに、知らないくせにいっつも姉さんしか見てないくせに、私の方なんて見向きもしない癖して知ったように言わないで」


もう言っていいよね

「お前、親になんて口聞いて！」

「親なら分かるんだろうね？娘の努力も変化も気づくんだろうね！

あんた達は何一つわかってないじゃない。私は毎日授業以外で勉強は五時間以上してる、運動だって何とかしようとして毎朝二時間は走ってる。

ねえ知ってた？朝ご飯食べてるのって基本的私の作り置きしといたやつだよ？
知ってた？私笑ってるんだよ。
知ってた？私身体中傷だらけなんだよ。
知ってた？私は努力してるって。
知ってた？今日は私の誕生日だって。
知ってた？私は私なの姉さんじゃないの。

知ってた？私は姉さんと違う人間だって

なんにも、知らないでしょ…今頃親を演じないで」


その時強い衝撃と、鈍い音がして私は吹き飛んだ。

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