氷帝&立海どりぃむ小説部屋♪ (ページ7)

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屋上ラヴァーズ　　(後編)　＊不器用taste　＜仁王雅治＞　☆凛樹さんリクページ7

―――ねぇ、先輩。

『好きだ』

その一言が、欲しいだけなんです。

思いが募る。

結局、何もできないまま夜は更けていった。

―――

朝。何事もなかったかのように、平穏な日常が始まった。

普通に授業を受けて、休み時間は屋上を避ける様に図書室へ行った。

帰り際、いつもだったら仁王先輩が迎えに来てくれる。

私からこんな事態にしたのに、どこかで先輩を探してしまう。

先輩は、来る筈もなく私は友達と帰ろうと足を玄関へ向かわせた。

―――その時、

ニャ～ンニャ～ン♪

先輩が勝手に設定したと思われる、着信音が鳴った。

A「はい。」

仁王「A。放課後暇だったら、屋上に来んか？」

私の返事を聞かないまま電話は途切れた。

先輩の声は、低くどこか照れが混じったような印象を受けた。

放課後暇だったら、私が何も用事が無い事を知っていて

そういう言い方をする。

やっぱり、意地悪な先輩。

でも、そんな先輩が愛おしくて

――今すぐ、私を届けたくて

私は屋上へと、急いだ。

―――

ドアノブに手をかけ、扉を開くと…

仁王「やっぱり、来ると思っとった。A、こっちへ来んしゃい。」

私は、立ちすくんだ。

仁王「A、どうした。何かあったか？」

言って欲しい、『好きだ』って。

A「先輩は、私の事…」

私が言いかけたその時、

仁王「好きじゃ。Aの事…どうにもならん位に。」

先輩は、私を抱き寄せてそう小さく呟いた。

A「本当ですか？」

先輩の顔が見えた。

頬を紅潮させている。

仁王「いつも俺が嘘ついとったから、信じてくれないかもしれんな…

　ほら、A。俺の鼓動を聞きんしゃい。」

強く抱き締められ、先輩の鼓動が伝わってくる。

仁王「本当に俺が、Aの事を好き…あぁ、恥ずいのぅ

　好きなのか、分かったじゃろ。」

柔らかい微笑を、先輩は浮かべて

そっと今まで以上に優しく、私の頬に手を添えると

キスを落とした。

仁王「今まで、すまんかったな。昨日、あれからお前さんの事ばかり
　
　考えとった。そのせいで、ほら見てみんしゃい？」

そっと、差し出された携帯を見ると

未送信メール１８件

の文字。

『ごめんな』『すまんかった。』

その不器用ながらも、気持ちのこもっている一文一文が

妙に愛おしくて

私は先輩を抱きしめた。

A「私、先輩が大好きです。」

仁王「分かっとる///…俺もAの事、愛しとーよ。」

End