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28話 予期せぬ再会part3 ページ44

「そう言えば、四ツ葉とは今も仲良いの?」
「え、はい…今は2人で…」

はっ… と思い出す。
御国さんが屋敷を出て行く前…私に ボソ と呟いた言葉があった…。

御園()を宜しくね』

…今、屋敷に居ない状態なのに御国さんの言われた言葉を守れてるのだろうか?
最初、四ツ葉が「高校生になったら屋敷から出よう」と言われた時…反対はした。でも一般の高校に通った方が良いとリリイさんにも言われて出て行く事にしたんだけど…。

俯き、黙る私に御国さんは ポンポン と頭を撫でてくれた。

「オレは君を縛る為に言ったんじゃ無いよ? 御園の友達で居てねって意味だよ」

…俯いたまま、コクコク と頷く。
すると、御国さんは「やっぱり…そうなのか…」
と深刻に考えている様な表情を浮かべた。
…しかし直ぐに、ニタッ と笑い、「ねぇ、Aちゃん」と私の耳元まで口を持って行き、囁く様に話し出した。

「オレね…屋敷を出た後…色々な事を知ったんだ」
「へ、へぇ…」
「…。ねぇ、Aちゃん…。
四ツ葉の秘密、知りたくない?」

…秘密…? …四ツ葉の…?

「…。 いや、結構です」
「ありゃ…そう? 今の食い付いた様に見えたんだけど…」

そりゃ気になるよ。
だって1番近くにいる相棒だもん。
…でも…。

「四ツ葉に秘密があるなんて最初から気付いてましたよ。でも…人って秘密なんて有るもんじゃ無いですか。
私は四ツ葉の事…好きですよ。だから気になります。でも、愛していないのに聞く権利は無いと思います」

それ以上に無理矢理聞いて嫌われたりしたら…1人になってしまうかもしれない…。
そしたら寂しい。寂しいのは嫌いで怖い…だから聞かない。否…聞けないのか…。

それに私だって誰にも言えない“殺した感情”がある。
これも私だけが抱える秘密だ。
坊っちゃんにも…リリイさんにも…御国さんにも…四ツ葉さえにも言えない私の秘密。
…人には秘密が必ず有る。
自分以外の他人が自分の事を全て知るなんて不可能。
…これが人なのだ。あぁ…四ツ葉は吸血鬼か。

「そっかー。Aちゃんがそう言うなら。
あぁ、オレ、もう行かなきゃ。じゃあねーAちゃん! あ、コレ…オレの連絡先! 何か有ったら連絡して良いからね!」

御国さんに名刺を押し付けられた。
…何かの店の名刺の様だ…。

「…御国さん。今、アナタは何者なんですか…?」
「ん? …只のしがない骨董屋、かな」

じゃあねー! と去る御国さん。
…一応リリイさんに報告だな…。

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作者名:キタペン | 作成日時:2018年9月14日 18時

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