28話 予期せぬ再会part2 ページ43
「ん？ 何々？ クッキーのレシピ？」
「あ…はい。文化祭でクッキー作るので」
私はその本を鞄の中に仕舞う。すると、御国さんが…
「まさかっAちゃん！？ その本男の子からのプレゼントっ…！？」
と、大袈裟にリアクションしてきた。
…いや、何故分かるんだよ…。
…其処からはアベルと言う人形が交じりながら、御国さんのマシンガントークが始まった。
「いやいや〜、何時も何時も『四ツ葉〜…四ツ葉ぁ〜…』って…四ツ葉っ子だったAちゃんがなぁ〜。隅に置けないねー、アベル〜」
アベルと相槌を打ちながら話す御国さん…。
…確かに昔っから何か有ったら四ツ葉を呼んでたよ。
…あれ？ 今もあんま変わらないのかな…？
「あっ。でも、喫茶店って事はメイド服着るの？ 君、顔とスタイルは良いけど…表情がねぇー。そう言うメイドさんって需要ある？」
「いや、着ませ…」
「まぁ、大丈夫だよ！ そんなAちゃんのメイド接客が好きって言うお客も現れるだろうよ！」
ケラケラ と、笑いながら私の話を一切聞かず…話を続ける。
…段々と腹が立ってきたな…。
「そうだ！ Aちゃん、オレに向かって『行ってらっしゃいませ、ご主人様っ』って練習してご覧よ〜！ …さん、はいっ！」
「…。 …逝ってらっしゃいませ、御愁傷様っ…」
腕組をして、蔑む視線を贈りながら言い放つ。イライラが大分溜まったのでアレンジしてやった。
御国さんはアベルを抱き締め、ひっー と小馬鹿にした悲鳴を上げ…私から後ろに下がる。
「昔はこんな子じゃ無かったのにっ…！ 本当、可愛い顔して可愛く無い事言うよねーアベル〜」
…また人形遊びの世界に入っていったよ…。
アナタのこそ昔はこんな変態人形愛者では無かったんだけどな…。
…本当にこの人は…何が有ったと言うのだ…。
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作者名：キタペン | 作成日時：2018年9月14日 18時
