INNOCENT DAYS ４

＊151 ページ5

.




｢マジで……？だから今夜は予定あるって言ってたの？｣



企画書を閉じて私に戻しながら、わかりやすく驚いてる高嗣。



「うん……今日、高嗣せっかくお休み取れたのにゴメンね。」



「あ、、、そういう訳じゃなくて、ちょっと急だしびっくりしただけ。」



「メールや電話より、直接顔見て相談したかったから、話すの直前になっちゃってごめん。」



何かを考えてるみたいな高嗣。



「場所はどこ？」



「六本木のホテルO。」



それは、サンシャインレコード本社にもほど近いシティホテル。



「ふーん。とりあえず、、、俺は今日大丈夫だから、とにかく何かあったらすぐに連絡して？」



「え？あ、うん…ありがとう。」



私の不安な気持ちが伝わってるのかな？心配かけちゃって、ゴメンね。






「高嗣は今日は、実家？」



「うん、、久しぶりに顔出してくるわ。」



「甥っ子ちゃん達も喜ぶね、、、にぃにの顔見たら(笑)」



可愛がってる甥っ子ちゃんの話になったら、さっきまでの小難しい表情は消えて、フニャってわかりやすく笑顔になる。



そういうとこ、ホント可愛い(笑)









それから、お昼までは高嗣のうちでゆっくり過ごして、、、“電車で行くから大丈夫”って、何度も言ったのに、午後からのピアノ教室の仕事に間に合うように車で送ってくれた。



高嗣はこの後少し買い物して、実家に行くみたい。



ピアノ教室からほんの少し離れた、人通りのない裏道で車を停める。





「ありがと。また連絡するね。」



「うん、、あのさ、、、」



「ん？」



後部座席の私を見て、何かを言いたげな高嗣。



「ううん、、、何でもない。」



「フフッ、どうしたの？」



「………あのさ、、、今日終わったら電話ちょーだい？」



「え？うん。また、連絡するよ？」



「あ、ってゆーか、俺迎えに行くから。」



「ん？………それは大丈夫だって。何時になるか、わからないし。」



高嗣の言葉はすごく嬉しいけど。ほら、、、だってやっぱり、内心いろいろ心配。



「うん、、、でもなんか気になるから。とにかく連絡して？」



「わかった。じゃあそろそろ行くね。高嗣も車気を付けてね。」





人通りが少ないとはいえ、あまりこういう場所に長く停めないほうがいいから、とりあえずそう返事した。





サングラスしてるから表情はしっかり読み取れないけど、眉間にちょっとしわを寄せて、、、少し難しい顔してる高嗣と別れた。





.

＊152→←＊150〜Side:2

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す