INNOCENT DAYS ４

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Aちゃんから最後に送られた桜の写真が待ち受けになったまま、季節だけが過ぎてく。




時間が経って、少しずつAちゃんが居なくなった現実を受け止められるようになってきた。




だけど………心のどこかでは、すぐに戻ってきてくれる、、何が特別な事情があるだけだ、、、って思ったり。




その一方で、冷静さを取り戻すと、彼女が俺から離れていったどうしようもない事実が重くのしかかって、じわじわと首を締め付けられるように苦しくなる。






逢いたい。




話がしたい。




日本にいない、、ってどういうこと？







どうして俺の前から消えたのか………理由だけでも、、、おしえてよ。









不安定な気持ちを捨て去りたくて、のめり込む様に仕事に打ち込む日々。









そういえば、あの……Quattro Cuoreの4人組が、デビューしていた。



秋冬の新作口紅のタイアップで、そのCM曲がガンガンヘビロテされてる。



あの企画書にあったみたいに、本人達もCMに出演していて………華やかなメイクで、それぞれに楽器を弾く姿からその唇がアップになる。



確かに、どっかのアイドルにも負けないビジュアル。



もちろん、ピアノを弾いてるのは知らない女の子。




頭に残るサビとポップで聞きやすいその曲は、ボーカルのないインスト曲にもかかわらず話題になって、チャートを賑わせていた。



年末の音楽特番にもたくさん出演していて、俺たちのグループと一緒に仕事することもあった。









………………もしかしたら、Aちゃんがここにいたかもしれないなんて。









ううん、やっぱないな…それは。









もちろん、彼女たちがどういう経緯でここにいるのかなんてわかんない。



Aちゃんがトクベツだったかもしれないだけで。



でも彼女たちからはどこか、このチャンスを絶対にものにしたいっていう野心と、ギラギラした熱を感じる。



この世界は、その位じゃないと生きてけないから。









だから、あんな風に派手なメイクと衣装でニコニコと愛想を振りまくAちゃんは、やっぱ想像できない。



Aちゃんのピアノに対する想いは不器用すぎる位真っ直ぐで、業界の黒さを踏み台にしてのし上がっていけるタイプなんかじゃないもん。









儚くて壊れてしまいそうなくらい純粋な想い。









桜の写真が待ち受けになったまま、もうすぐ次の春が来る。






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