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月明りもない、ほとんど星も見えない、暗い夜の空。
その空と、境目のない真っ黒な海。
遠くの街の灯り。
静かな波の音と、時々遠くを走っていく車のエンジン音以外何も聞こえない。
今、この空間だけがすべてのものから切り離されて、まるで2人だけの世界にいるみたいに感じるほど。
「Aちゃんの手、冷てぇ。」
いつかのやりとりと同じ言葉。
そのまま躊躇することなく自分のコートのポケットに私の手を滑り込ませる。
手を繋いだだけでドキドキする気持ちも、その手の温もりも、、あの頃と変わらない。
「寒い？」
「寒いよ、まだこんな季節の海なんて(笑)」
だんだん春が近付いてるけど、やっぱりまだまだ夜の海は寒い。
だけどね、、、2人でいるだけで心はずっとあったかい。
「俺、ちゃんと今日はサンダルじゃないから大丈夫だし(笑)」
「ズルい。私はヒールだからめちゃめちゃ歩きにくいのに！」
そう言うと、楽しそうにケラケラ笑ってる高嗣。
あの時の高嗣はサンダル履いてて、素足が砂まみれになって大騒ぎしながら歩いたっけ。
これ以上踏み込んじゃダメ、って思いながら…あの時止められなかった高嗣への想い。
あれからたくさんの時間を一緒に過ごして、いっぱい幸せな気持ちを貰った。
今日だって…………。
こんな時間に海に連れて来てくれたのだって、私の事を想ってだよね？
あんなに動揺する出来事があったのに、いつの間にかこうやって穏やかな気持ちが戻って、私を笑顔にしてくれた。
言葉で足りないことは行動で示して、いつも私の不安をひとつひとつ取り除いてくれる。
「今日は、ホントにありがと。」
「ん？」
何が？みたいにとぼけた表情で私を見てるけど、そのまなざしはいつだって優しい。
シャイなところも、照れくさそうに目を細めて笑う笑顔も、私の胸をキュンってさせる。
「ね、やっぱ寒いから、車戻ろ(笑)」
「フフ…………だね(笑)」
今日も、、、長い一日だった。
あの日と同じように、手を繋いだまま歩く砂浜。
あの時「この夜が終わらなければいいのに。」って強く思った。
全てのことに終わりがあるって、ずっと思ってたから。
でも今は…………揺るぎなく続いてく、終わらない大切な何かがある事、感じてる。
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めろん(プロフ) - にかはるかさん» ありがとうございます(^^♪私にとっても思い入れのある2人なので、完結してちょっと淋しくもあります。まだノープランですが、2人の未来をゆっくり考えてみますね。 (2019年10月24日 10時) (
レス) id: 85fa9eafbf (このIDを非表示/違反報告)
にかはるか(プロフ) - 完結おめでとうございます！２人の関係がすごく好きでした。最後は号泣でした。高嗣サイドも続編も短編も待ってますので宜しくお願いします！ (2019年10月23日 10時) (レス) id: 1c69577c40 (このIDを非表示/違反報告)
めろん(プロフ) - りっちゃんさん» ありがとうございます！後半は少しハラハラさせてしまってゴメンなさいw。私的にも、ゆっくり柔らかく愛を深めていく2人を描きたかったので、伝わってくれてるとすごく嬉しいです。 (2019年10月7日 12時) (レス) id: 85fa9eafbf (このIDを非表示/違反報告)
りっちゃん(プロフ) - 連載お疲れ様でした！！すごく良いお話でした…。ほっこりするというか、にかちゃんと主人公ちゃんの間には、ゆったりほんわかした雰囲気や空気感が感じられました。読んでいてハラハラする時もありましたが、読み終わるとほんわかした気持ちになることが多かったです。 (2019年10月7日 0時) (レス) id: 3f1fc3d1a7 (このIDを非表示/違反報告)
めろん(プロフ) - ひよさん» ひよさん、あたたかい言葉ありがとうございます。そして｢にかちゃんがにかちゃん｣って言って頂けてホッとしています♪続編、まだノープランですがwゆっくり考えますね！ (2019年10月6日 1時) (レス) id: 657646c020 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：めろん
| 作成日時：2019年6月25日 17時
