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先週はまだ固かった桜の蕾が綻んで、降り注ぐ陽の光と柔らかい風に春を感じる。
自宅から駅までの道沿いにある小さな公園には、古い桜の巨木が何本かあって、この時期は毎年、通勤通学の時も日々変化してく桜の様子を見るのが楽しみで。
咲く花はどこか儚げなのに、その太い幹は生命力と力強さを感じさせる。
思わずスマホをバッグから出して、咲き誇るその花を収めた。
仕事柄、普通の会社員よりは出勤時間が遅めだから、通勤の頃には公園で小さな子供を遊ばせるママさんや子供達の笑い声が聞こえる。
他にも犬の散歩をする老人、ベンチに座ってコーヒーを飲みながら桜を見てる若者、その隣のベンチにはいかにも営業をサボってそうなスーツ姿のサラリーマン。
そんな光景を横目に眺めながら、公園の脇を抜ける。
あのCDデビューの話は、当然ながら………その後シンプルなお断りのメールが1通届いただけで、あっさりと立ち消えになった。
もちろん私の選択に間違いはなかったと思ってるけど、ピアノに対して前向きだった気持ちが、この件で何だか消極的になりそうになってた。
でも、、そんな私を気に掛けて………高嗣が、マメに面白い写真や短いメッセージを送ってくれる。忙しいのに。
そして、咲き始めた薄紅の花を見ると元気が出て、また自分なりに頑張ろうって思える。
寒い時期は皆、険しい表情でこの公園を足早に過ぎてくように感じるけど、この季節になると何となくのんびりと時間を過ごしているように見える。
この街に住んでもう何年にもなるけど、毎年のことながらほっこりするこの風景に、心は自然と優しくなれる。
小さな公園だから、夜になっても桜を楽しむための特別なライトアップなんてないけど、日が暮れる頃には、歩道沿いに設置されてる照明の灯だけで充分に幻想的な夜桜の光景へと変化する。
私はこの風景を、この街で、、あと何年見るんだろう。
いつか高嗣と、そんな桜の下を手を繋いで歩ける日は来るのかな？
こんな事を口にしたら、高嗣は悲しい顔をするかもしれないけど、普通の人が当たり前にできることをたくさん我慢して多くの犠牲を払って、仕事のために頑張ってる高嗣にも………もっともっと、、、楽しい時間が増えるといいな、なんて。
ふとそんなことを考えながら駅の改札を抜け、いつもの電車に乗り込む。
スマホを手に、さっき撮ったばかりの写真を高嗣に送信した。
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めろん(プロフ) - にかはるかさん» ありがとうございます(^^♪私にとっても思い入れのある2人なので、完結してちょっと淋しくもあります。まだノープランですが、2人の未来をゆっくり考えてみますね。 (2019年10月24日 10時) (
レス) id: 85fa9eafbf (このIDを非表示/違反報告)
にかはるか(プロフ) - 完結おめでとうございます！２人の関係がすごく好きでした。最後は号泣でした。高嗣サイドも続編も短編も待ってますので宜しくお願いします！ (2019年10月23日 10時) (レス) id: 1c69577c40 (このIDを非表示/違反報告)
めろん(プロフ) - りっちゃんさん» ありがとうございます！後半は少しハラハラさせてしまってゴメンなさいw。私的にも、ゆっくり柔らかく愛を深めていく2人を描きたかったので、伝わってくれてるとすごく嬉しいです。 (2019年10月7日 12時) (レス) id: 85fa9eafbf (このIDを非表示/違反報告)
りっちゃん(プロフ) - 連載お疲れ様でした！！すごく良いお話でした…。ほっこりするというか、にかちゃんと主人公ちゃんの間には、ゆったりほんわかした雰囲気や空気感が感じられました。読んでいてハラハラする時もありましたが、読み終わるとほんわかした気持ちになることが多かったです。 (2019年10月7日 0時) (レス) id: 3f1fc3d1a7 (このIDを非表示/違反報告)
めろん(プロフ) - ひよさん» ひよさん、あたたかい言葉ありがとうございます。そして｢にかちゃんがにかちゃん｣って言って頂けてホッとしています♪続編、まだノープランですがwゆっくり考えますね！ (2019年10月6日 1時) (レス) id: 657646c020 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：めろん
| 作成日時：2019年6月25日 17時
