４つの物語 (ページ14)

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城を抜け出そう - ７ページ14

「本当しぶといわね。もう1週間経つのよ？いい加減、正体を吐けばどう？」

『 …はあ、だから、ただの人間だって…！』

「嘘おっしゃい！！わかってるのよ、あなたが吸血鬼だってこと！銀色の髪！白い肌！赤い瞳！それが何よりの証拠よ！！」

セラさん

彼女は人間に化けた魔女だ。

1週間前、

使用人を辞めた3日後

城を出てすぐに彼女に捕まった。

そこからは拷問の数々。

私を吸血鬼と過信している。

確かに見た目は吸血鬼そのものだ。

銀色の長い髪

異常なほどに白い肌

真っ赤に染まった瞳

ただ、

それは見た目だけで

あとは人間と変わらない。

吸血はしないし

日光も平気で

ニンニクに十字架も効果なし。

吸血鬼なのは

見た目だけなのだ。

『もし私が吸血鬼なら、太陽のあるこの世界じゃ生きられない。』

「っ、黙りなさい！！私の読みは絶対に外れないのよ！！」

「そこまでだ！！」

は…？

…ジョンデ…？

『ちょっと…なんでここにいんのよ…、』

「 Aはまだ俺の側近でしょ。俺の許可なく勝手にいなくなるなんて、反逆者か。」

「ジョンデ、ここは危ないわよ。こいつは吸血鬼！あなた、ずっとこの女に騙されてたのよ！」

『 …はは、なんなのよ、もう…！』

もう訳がわからない。

なんで私がこんな目に…

だから町は嫌いなんだ。

容姿１つで大騒ぎする

町も、人も。

「知ってるよ。A。」

『ジョンデ…？』

「騙されてなんかない。全部知ってる、最初から。」

「は、何を知ってるっていうの？全部嘘なのに！」

「 15年前。Aは突然俺の前に現れた。今日から俺のお付きだと、そう言ってね。」

「なんなの？15年前の子どもの話なんて聞きたく…、」

「何もわかってないのはあんただよ、セラさん。」