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城を抜け出そう - 8 ページ15

「 俺は一度、聞いたことがある。A、君は吸血鬼なのか、ってね。その時Aは、そういうことにしとく、そう言ったね。 」

『 …そうだったかな、 』




嘘。

覚えてるよ。



あの頃は

吸血鬼のような容姿の私に

興味本位で近づいてくる人間が嫌で

そう答えれば

そんな人間が多少は減るんじゃないか、

そう思って適当に答えた。





「 A、君は吸血鬼と人間の間に生まれた子。容姿は吸血鬼だけど、それ以外は全て人間と同じ。太陽、ニンニク、十字架は全く無意味。おまけに吸血もしない。だけど俺は知ってる。不調の時は、鏡に映らない。 」

『 …はあ。バレてたか。できるだけ避けてたんだけどな。 』





普段は平気だけど

体調が悪かったり

よくないことがあると

姿が鏡に映らなくなる。

これが

吸血鬼の子

という何よりの証拠だ。



ジョンデの言う通り

私の母は人間だが

父は吸血鬼。

父は1日だけ人間になったが

力が足りず

太陽の光を浴びて消えた。

母は私を産んだ後

父を追って死んだ。

残された私は

何度も家を転々とした。

皆私を気味悪がって

孤児院ですら引き取ってくれない。

そんな状況が何年も続いた。



そして、

その日は突然訪れた。

この城に仕えていた心優しい使用人に拾われ

育てられることとなった。

そして1から使用人の仕事を叩き込まれた。

私がこの先使用人として働いて行くのに

不自由がないように。

容姿が普通の人間ではない上に

年齢も若い。

後に必ず苦難が訪れる。

それを踏まえた上での

訓練のようなものだった。




そして数年の修行を経て

ジョンデの側近となった。

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作者名:*** | 作成日時:2018年2月13日 0時

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