城を抜け出そう - 5 ページ12
Jongdae side.
『 …どういうこと。 』
「 ええ、ですから…、 」
15年
ずっと一緒に生きてきた
Aが
突然
使用人を辞めて
俺の前から消えた。
「 ジョンデ様!どちらに! 」
『 探しに行く。勝手に辞めて勝手にいなくなるなんて、許さない。 』
「 ですが、彼女はもう…! 」
『 主人である俺の許可なく、勝手なことしないでくれる? 』
「 もっ、申し訳ございません!! 」
Aはいつもそうだ。
ここへきた時もそうだった。
“ 本日付でジョンデ様のお付きの人になりました、Aです。…これであってる?? ”
突然現れた10歳の少女。
一緒に来た使用人に
挨拶の確認をする少女は
本日付で俺のお付きになった。
どこで拾って来たのか
銀色の長い髪に異常なほど白い肌。
そして赤い瞳はまるで
吸血鬼を連想させた。
一度聞いたことがある。
“ Aってさー、吸血鬼なの?? ”
“ うーん、そうって事にしとく。 ”
“ え?どっち? ”
“ 内緒。 ”
答えは濁された。
頭の固いジュンミョニヒョンと
純粋だった人たちは
皆、Aの言葉を信じ、恐れた。
でもAは
なんとも思っていないようだった。
…あの時の言葉は
本物だったのか…?
『 Aの居場所は? 』
「 申し訳ございません、彼女が辞めてからの状況は把握できておりません。 」
『 ったく、世話がやけるな!25にもなって家出なんて! 』
「 あれ!ジョンデさん、いつもの銀色の人はご一緒じゃないんですね? 」
アルム。
彼女はAが苦手な町人その1。
『 なんか家出しちゃったんだよね。探してるとこ。見なかった? 』
「 うーん、見たような、見なかったような。 」
『 えー?あんなわかりやすい人ここに居たら見落とさないよね? 』
「 あははっ、ジョンデさん、いつも冷たいから意地悪したくなっちゃうんですー。 」
『 俺が?そんなことないでしょー。で、どこ行った? 』
「 そんなに気になるなら、私と…、 」
『 時間がない。さっさと言って。 』
「 ジョンデさんこわーい。見てないですよ。ここ最近お店が忙しくて来てても外なんて見てられなかったですし。 」
『 そう、わかった。 』
ほんと、使えねー。
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作者名:*** | 作成日時:2018年2月13日 0時