♭ 07 ページ8
.
「 はぁ〜疲れた…… 」
体育祭前日。
体育の授業では明日の種目の練習させられ、
部活の時間でも、休憩時間にリレー付き合わされた。
テニス部は、部活動対抗リレーに参加することになった。
そして私は、部員の中でタイムが速い方らしく、
強制的に出場することになってしまった。
華も出てくれればちょっとやる気はでるのに。
彼女はあまり短距離が得意ではなく選ばれていない。
「 体力テストの時、本気出さなきゃよかった…… 」
なんて、一人で勝手に後悔していると、
「 〜♪〜♪ 」
「 …？」
どこからか歌声とピアノの音が聞こえてくる。
でも、かすかにしか聞こえない。
意識して耳をすませていないと、
すぐに周りの雑音に掻き消されてしまうだろう。
「 この辺にピアノ弾ける場所なんてあったかな 」
家の中で弾いてるのかな？
でも、聞いててなんだか心地がいいな……。
私は無意識に、声の聞こえる方へ足を動かしていた。
段々声が大きくなってきている気がする。
もしかして、もう近くに来ているのかも。
なぜか分からないけど、胸が高鳴っているのが嫌でも分かる。
私、なんでこんなにドキドキしてるんだろう。
なんで今、走っているんだろう。
「 ……ここって… 」
息を切らしながら、ついた場所は小さな教会だった。
こんなところに、教会なんてあったんだ……。
見たところ、もうだいぶ使われてないんだろう。
元の外観は立派だったんだろうけど、
雑草は生えっぱなしだしよく見ると壁にも汚れや傷が見える。
でも、やっぱりここだ。この中に誰かいるんだ、絶対。
意を決して、入り口を通る。
そして、ギィ…、と音のする重たいドアをゆっくりと開けた。
恐る恐る、中をのぞく。
―――息を、呑んだ。
中には、木製の長い椅子がたくさんあって
奥にはグランドピアノが置いてある。
そして、そのピアノを弾きながら
透き通るような美しい声で歌を歌っている人がいる。
窓から月明かりが差し込んで、
まるでスポットライトが当たっているみたい。
なんて、神秘的なんだろう。
……あれ、けどあの人どっかで見たような…。
そう思っていると、急にピアノの音が止まった。
「 …まーくん？来るの遅いよ〜 」
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 105人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「あんスタ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ルビィ - この作品何度も読み直しています。続きが気になります。更新して欲しいです。 (2019年11月6日 20時) (
レス) id: 49488ecbb9 (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃(プロフ) - ゆうたさん» わあああ、お恥ずかしいです…。ご指摘、有難うございます！ (2017年6月25日 19時) (レス) id: 8101eae6b8 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうた - りつの、りは凛ですよ！ (2017年6月12日 15時) (レス) id: 88d6a4021e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：瑠璃 | 作成日時：2017年3月19日 22時
