球技大会�� ページ22
次は男子の決勝。相手は現役バレー部中心の長身チーム。
圧倒的不利に見えたが、凪くんのチームは食らいつき、フルセットまで突入する激闘となった。
「「「あと一点！あと一点！」」」
試合はあと一点取ったら方が勝ち、ってところまで来て観客の熱が増していく。
この二人も例外ではなかった。
「こんな手に汗握る試合、久しぶりじゃない？こっちまで熱くなってきたー！」
『私もずっとハラハラ、ドキドキしてる……。』
セッターが高くボールを上げ、アタッカーがそれに合わせて踏み込むとシューズが、キュッとなった。
「くるぞ！！」
強烈なスパイクが来る!と、腰を落として守りの体制に入る。
敵アタッカーが闘志をむき出しにして強烈なスパイク……ではなく、ボールに優しく「ポン」と触れただけ。
『「フェイント！」』
ボールはコートの誰もいない場所へゆっくり落ちていく。
ああ負けた。と誰もがそう思った瞬間。
「よっ。」
凪くんが足の甲で蹴り上げたボールにセッターがトスを上げ、キャプテンが「へなちょこスパイク」で返し最後の点が決まった。
ピー！とホイッスルが鳴り響き試合終了。
その瞬間、体育館に歓喜の声が響き渡った。
「マジ、すげえ！」
「きゃー！おめでとう！」
「凪くん本当にバレー経験ないんだよね？なのにあの鋭いスパイクどうなってるの！？」
『私が聞きたいくらいだよ。トラップまでできるなんて……。』
男子チームの奇跡に、汗だくで抱き合う男子、女の子達も抱き合って喜び、興奮冷めやらぬ1日となったのだった。
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作者名：まるこめみそ | 作成日時：2023年11月26日 15時
