【ジョジョ】最高の素材 (ページ17)

今日:2 hit、昨日:5 hit、合計:13,228 hit

両片思い？ページ17

『その人はカッコよくて､知的で､頼りになる人です

いつも冷静で､でもちょっと意地悪』

あれだけ僕に意地悪と言っていながらよく言えるよ
と思いながらも高揚感を抑えつつ続きを聞く

『本当に､素敵な人なんです』

はにかんだ笑顔でそう言うAをスケッチブックで描く

恋愛漫画にだってリアリティは必要だ
リアリティこそが作品を面白くする

今この体験を漫画に描くと読者はまるで自分が恋をしているような気分になるんだ

「その人は誰だ？」

『その人は…私の傍にいる人です』

上目遣いのAとキャンバス越しに目が合う

心臓が前より大きな音で跳ねる

落ち着け､まだその時じゃあないんだ

「…僕には分からないな君の好きな人は」

そう言うとAは眉を下げ『そうですよね』と言った

マズイ彼女を傷つけてしまったかもしれない

普段露伴がこんなことを考えるのは有り得ない話だ
ここまで相手の気持ちを考えて言葉を発するなんて

それほど露伴にとってAは愛が深く大事にしたい人物ということなんだろう

「でも､Aの好きな人もAが好きなんだと僕は思うよ」

『えっ？』

俯いていたAが顔をあげる
「だって好きでもない人の傍にいたいなんて普通考えないさ､

Aのことが好きだから一緒にいたいって思うんだろ」

そう言うと

『…そうだったら…嬉しいなぁ』
と静かに微笑んだ

いつか絶対自分から好きだって伝えてやる

その間､他の男なんて見るんじゃあないぞ

。

。

。

『今日は色々ありがとうございました！じゃあ…』
「おいおい君こんな時間に1人で帰るつもりなのか？！送ってやるよ」

『こんな時間ってまだ6じ…』
言いかける前に時計を見るともう8時半

『もうこんな時間だったんですか？！』
「だから送ってやるって言ってるんじゃあないか」

『じゃあお言葉に甘えて！』
と言い露伴の隣にポンっと行くA

露伴は無意識にAの手を握った

『？！』
柔らかないな…白すぎるんじゃあないか？ちゃんと血が回ってるか心配になるぞ

露伴は今頃Aの手を握っていることに気づいて汗が止まらない

「よ､夜だからだぞッ！危ないから手を繋いでるんだ！」
『はっ…ハい！』

Aも思わず裏声がでる

街灯の下を歩くとAの赤くなった頬が目立って見える

「なんだい君顔赤くしちゃって､もしかして手繋いでるだけで照れてるのか？」

自分でも意地悪しすぎだと思ったよ