黄瀬涼太は好きな子にアタックできません14 (ページ42)

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683話ページ42

Aside

「はーい！みんな！お疲れ様！！！！」

汗臭い男の匂いが充満したロッカールームでは、疲れ切った選手たちが転がっている

彼らはまだ片付けを始められるほど回復をしていないが
ここを出なければいけない時間も刻々と迫ってきていることを忘れてはいけない

「マネージャー、黄瀬は？」

「あ、いま救護室行ってます」

ふと後ろから私に声をかけてきた監督に、彼の現在の状況を簡単に説明をする

「…なるほど、」

すると監督は顎に手を当てながら少し何かを考えているようで、そんな姿に私も「どうかされたんですか？」と声を上げた

「いや、実はな、表彰式までの間にインタビューが入っててな」

私は監督の言葉をわかりやすく繰り返し、キャプテンなしでインタビューを受けることは可能なのか、と私も頭を回す

「…どれくらいかかるか聞いてこれるか？？」

監督は私の顔を見下ろしながら申し訳なさそうに呟いて、私はあかべこのように首をブンブン振りながら「わ、わかりました！！」と返事をした

救護室、救護室、と小さく呟きながらパンフレットに載っている小さな地図を眺める私の後ろで
監督は腕時計を見ながら荒々しく声を上げる

「今日ベンチ入りしてた奴ら、この後インタビューあるから、そろそろ準備しといてくれ」

その声に選手たちは少しざわつき、疲れているのにもかかわらず浮かれた声を上げた

「…キャプテンについては今から聞いてくる、場合によっては先にインタビューを受けていてもらうかもしれない」

どかっと音を立ててベンチに座った監督に、選手たちは「はい！」といつも通りの返事をした