検索窓
今日:3 hit、昨日:5 hit、合計:35,948 hit

671話 ページ30

「彼はこの試合の中で確実に成長している、素晴らしい伸び代だな」

定位置についたと同時に俺をマークしていた赤司っちが小さくつぶやいて

俺は目の前で揺れる赤い髪の毛を眺めながら「自慢のチームメイトッスから」と続ける

すると鋭い目がゆるりとこちらを向いて、
まるで俺の中身全てを読み解かれるような感覚に陥っていく

いつまで経っても慣れない彼のこの目線にどんな表情をしていいのかわからない、と思っていたら
彼の目線が段々と下がっていき、そのまま冷たく口を開いた

「それに比べて涼太、足を痛めるなんてどんな失態だい?」

やはり何もかも見透かしていた彼の発言に俺はわかりやすく息を呑んで

しかしそんな焦りを誤魔化すように「何のことかさっぱりわかんないッスねぇ」と口を開く


俺の言葉にもう一度視線を上げた赤司っちは
小さく「そうか」と呟くと
俺の元へ来たパスを光の速さで弾き飛ばした

「試合終了までコートに立っていることを祈るよ」


俺は赤司っちに「どーもっス」と続けると、そんな彼のマークから抜けようと激しいステップを繰り広げた

尋常じゃない痛みが足を襲っているのはわかっている

しかしあと何分かの辛抱で
これを逃したら俺は絶対に後悔する

何があっても、もしこれでバスケ人生が終わったとしても
それでも絶対に、この学校を

このユニフォームをきて優勝すると心に決めた

襲い掛かる痛みに耐えながらうまく赤司っちを避けた俺はその瞬間にボールを受け取り


「…っっば、ばかな!!」



赤司っちを吹き飛ばす勢いで、その場所から痛い方の足を思い切り踏み台にして


なぜかこの時だけは体がとても軽く感じて

反応が遅れてしたから手を伸ばす赤司っちがすごい形相をしていて


しかしそれを蹴散らすように


「うぅぉぉぉラァァァァァァッッッ!!」



俺はメテオジャムを決めた






「…っっ、くそ、」


地面に足をつくとさっきまで痛かったはずの足が
何も痛みを感じなくなっていて


俺を睨む赤司っちの瞳には


ゾーンに入った俺が映っていた

672話→←670話



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (29 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
140人がお気に入り
設定タグ:黒子のバスケ , 黄瀬涼太 , 黄瀬   
作品ジャンル:アニメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:りん | 作成日時:2021年3月19日 10時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。