565話 ページ23
洗濯機をセットして部活に戻ると、既にみんな整列をしてキャプテンが号令をかけているところだった
すかさず私も小走りで列に混ざり、「お疲れ様でした」という声と共に元気よくお辞儀をした
号令を終えてパラパラと広がった部員たちが各々帰る支度を始めるのを見届けて
私も洗濯機を待っている間、誰の衣装が終わっていないか確認をしようとカバンからノートを取り出した
体育館ではまだ暑い熱気がたちこもっていて、カバンを抱えた部員たちが「マネージャー、お疲れ様です!」と声をあげながら私の横を走っていく
そんな彼らに「お疲れ様!」と声をあげてかおをあげたところで、聞き慣れた大好きな声に話しかけられた
「A」
その声は疲れからか少し男らしい声で
私はその声に思わず「どうしたの?」と声を上げる
すると彼は少し笑顔に戻って、「今日実家帰らなきゃいけないんスけど、Aのこと家まで送っていいッスか?」と呟いて首にかけたタオルで汗を拭く
突然のお誘いに少し心が躍って嬉しくなった反面
洗濯機を回していることを思い出した私は、少し顔を曇らせて「あー、ごめん、洗濯機回してて、40分くらいまだ帰れないんだ」とつぶやいた
それを聞いた黄瀬くんは、何も動揺することなく
力強い顔で
「じゃあ待ってる」と呟いて
いつもならきっと断るはずの黄瀬くんの予想外の発言に
私は何か嫌な予感がして言葉を飲み込んだ
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作者名:りん | 作成日時:2021年1月28日 16時