451話 ページ10
Aの声に反応してぴたりと腕が止まって
それと同時に頬を殴られて大人しかった先輩が頬を押さえながら静かに立ち上がった
「あーあ、せっかく酔って気持ちく高校生ハメられると思ったのに」
そう呟いた先輩の首を今すぐに締めてしまいたいと思ったと同時に笠松先輩が「おい」と声を荒げて
「お前ら、酒言い訳にすんな
二度とこいつらに近づくんじゃねぇ」
と、低い声で言い放った
殺伐とした空気の中、舌打ちだけ残した先輩たちは
用具室を後にした
先輩たちがいなくなって用具室に流れる空気は異様なものだった
「…っ、」
俺はすぐに投げ捨てられたスカートを拾ってAに駆け寄った
先輩たちも手を切っていたり、顔に血がついていたりしたから
女の子だから力がないにもかかわらず先輩に立ち向かったんだろうと思っていたのに
その予想は真逆のものだった
俺の目に映るAの目は涙で潤んで焦点があっておらず
口は半開きで浅い呼吸
体も完全に力が抜けていて
ただの弱い女の子
その姿に胸がギュッと締め付けられて熱くなって
俺のTシャツを力なく抱きしめていたAの手を優しく取って名前を呼んだ
「Aッ…、間に合ってよかった…」
そんな俺を見て笠松先輩も後輩マネージャーの方に駆け寄って
「俺のジャージ、きろ」とぶっきらぼうな言葉を優しい声で呟いた
後輩は泣きながら自分の体の状況を見て赤面して
素早く笠松先輩のジャージを羽織った
彼女がちゃんと着たことを確認してから静かに近づいて
「もう大丈夫だ」と呟きながら
力強く彼女を抱きしめた
それと同時に激しく泣き出した後輩を見て、Aは俺が上半身何も着ていないにもかかわらず、ふわっと俺に抱きついた
「…怖かった、」
やっと彼女の口から聞けた言葉はあまり見せない彼女の弱音だった
「…ん、もう大丈夫ッスよ、俺がきたから」
ギュッと俺にしがみつく彼女を俺も力強く抱きしめ返して
「…スカート、履ける?」と優しい声でつぶやいた
彼女は小さく頷いて、俺の首に巻きつけていた腕を解いてスルスルとスカートを履いた
その綺麗な白い足に赤い傷が見えて
それと同時にまたあいつらに殺意が湧いて
理性で飲み込んだ
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りん(プロフ) - 湊さん» めちゃくちゃ今更すみません!!このコメント見て調べて声出して笑いました笑笑笑笑ご指摘有難うございます!!書き換えるのしんどいのでこのまま行きます笑本当に有難うございました笑笑 (2021年1月3日 3時) (レス) id: 6b9a318112 (このIDを非表示/違反報告)
湊(プロフ) - インターハイ編って黄瀬達三年生ですよね…?氷室さん一つ年上なので卒業してますよ…? (2020年12月18日 14時) (レス) id: ef148efd04 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:りん | 作成日時:2020年12月6日 11時