450話 ページ9
黄瀬side
脳内で本気で殺してしまいたいと思った瞬間に、無意識に一年間丸々共に部活をしていたはずの先輩の頬を思いっきり殴り飛ばしていた
「おい、黄瀬!!」
笠松先輩に体を押さえられても、止まらない怒り
「何、人の女に手出してんだよ…っ、
…死ぬ覚悟できてんだろーな」
俺が暴れても、鍛えている笠松先輩の体を振り解くことはできなかった
「落ち着け、黄瀬!」
怒りでハァハァと息を切らした俺の視界の端に映るのは、暗くてあまり見えない無惨な格好の2人
いつもなら愛おしいはずの白い足が俺の目に焼き付いて
心が締め付けられて、俺は暴れるのをぴたりとやめた
落ち着いたと判断した笠松先輩がスッと体を離してくれて、俺はそれと同時にバサッと音を立てて上のTシャツを脱いだ
脱いだTシャツを端で震えてるAに投げて
顔は見えないけど、震える手で俺のTシャツを抱きしめるAを視界の端に捉えながら、
「隠しとけ」と呟いた
そして怒り任せで隙を見て逃げようとしているもう1人の先輩の胸ぐらを勢いよく掴んで
「おい」と冷たい声を吐いた
「…っっ!」
チッ、
俺がくる前に2人に抵抗されたのか、口の横に少し血が滲んでいた
「何した」
俺の吐く言葉一つ一つが自分でも信じられないくらいに鋭くて冷たい
愛する人を襲われた気分ってこんな感じなんスね
俺が問い詰めてる間に笠松先輩もバサッと後ろでジャージを脱いで
泣きじゃくってる後輩のマネージャーに投げた
後輩のマネージャーは鼻を啜りながらも笠松先輩のジャージを抱きしめているのが視界の端で見えて
それと同時に目の前の酒に酔った先輩が「だからまだ、何もしてねぇってば」と吐き捨てた
「ハァ?女の子こんな姿にしてよくそんなこと言えんなクズが」
先輩はクズという言葉に反応して俺を殴ろうと手を出してきて
その反動で胸ぐらから外れた俺の腕がその腕を掴んで止めて
殺意に満ちた目で先輩の酒に帯びた目を見つめた
「別に挿れてねぇし、脱がしただけだろ」
確かにそう動いた先輩の口にまた沸々と怒りが込み上げて
「…ッてめぇ、」
「…やめて」
俺が殴ろうと腕を上げたところで愛する人が震える声で囁いた
「黄瀬くん、、やめて、」
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りん(プロフ) - 湊さん» めちゃくちゃ今更すみません!!このコメント見て調べて声出して笑いました笑笑笑笑ご指摘有難うございます!!書き換えるのしんどいのでこのまま行きます笑本当に有難うございました笑笑 (2021年1月3日 3時) (レス) id: 6b9a318112 (このIDを非表示/違反報告)
湊(プロフ) - インターハイ編って黄瀬達三年生ですよね…?氷室さん一つ年上なので卒業してますよ…? (2020年12月18日 14時) (レス) id: ef148efd04 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:りん | 作成日時:2020年12月6日 11時