446話 ページ5
「かっ、笠松先輩!!」
花火をバケツに無造作に投げ込むと、笠松先輩は突然何かを思い出したように走り出した
「ど、どうかされたんですか?!」
後輩も目の前で目をまん丸くしていて
俺もAが関わっていることだから気が気じゃなくて
「ごめん、ちょっと笠松先輩追ってくるッス」と軽く返事をして俺も走り出した
後輩が返事をしていたか、頷いていたかなんて見ている余裕はなかった
『白河はな、あの一年に今日のメニューの反省会頼まれて一緒にノートつけてたみたいだ』
『酒の飲み過ぎでぶっ倒れてる』
さっきの笠松先輩の言葉が頭の中でパズルのピースのように嫌な方向にはまっていく
どくんどくんと鳴り響く心臓が俺の思考力を蝕んで
旅館の前で息を整えるために止まった笠松先輩を視界の端に捉えた俺は、大きな声で名前を呼んだ
「笠松先輩ッ!!!!」
笠松先輩は手で頬のあせを拭いながら俺を見る
「おかしいと、思ったんだ、」
そしてゆっくりと体を起こして口を開いた
「アイツら、大学の部活でも女まわしてるから、白河のこと狙ってたのわかってたはずなのに、」
バクバクしてAの名前に敏感になってる俺の耳に笠松先輩の声が響いて、またどんどんと心臓がうるさくなっていった
「酔ってるのわかった時点で、気をつけるべきだったんだっ、、何してんだ俺、っ」
辛そうにそう吐き捨てた笠松先輩は、「黄瀬は旅館見てきてくれ!!」と大きな声で叫びながらまた体育館へ走っていった
笠松先輩の言葉に何も返事する余裕がなかった俺は
無我夢中で旅館へ走った
A、無事でいて
大丈夫
今までだって彼女は俺が知らないところでいつも強くて
灰崎にちょっかいかけられた時だって強く反抗していた
女の子だから力はなくても、威勢があるし
度胸もある
大丈夫だ
そんなことを胸の中で唱えながら騒がしい心を落ち着かせた
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りん(プロフ) - 湊さん» めちゃくちゃ今更すみません!!このコメント見て調べて声出して笑いました笑笑笑笑ご指摘有難うございます!!書き換えるのしんどいのでこのまま行きます笑本当に有難うございました笑笑 (2021年1月3日 3時) (レス) id: 6b9a318112 (このIDを非表示/違反報告)
湊(プロフ) - インターハイ編って黄瀬達三年生ですよね…?氷室さん一つ年上なので卒業してますよ…? (2020年12月18日 14時) (レス) id: ef148efd04 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:りん | 作成日時:2020年12月6日 11時