霊力Lv.54 お見舞い ページ7
??「__してやる」
何を言ってるの?聞こえないよ?
??「__してやる」
だから、何を「殺 し て や る」
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A「……はっ!」
私は勢いよく上体を起こした。額にはじんわり汗が滲んでいて、息が上がっていた。
辺りには見覚えのない光景が広がっていて、左腕がズキッと痛んだ。
あぁ、そうだ。カッターで切りつけられたんだった。
ここは病院かな?妙に薬臭くて、右腕には点滴が繋がれている。
その時、誰かがこの病室に入ってきた。
赤司「やぁ。目覚めたようだね…おや」
A「赤司くん、来てくれたんだ!あ、どうかした?」
赤司「いや、なぜ泣いているのかと思って」
咄嗟に目尻に手を当てると、指先が濡れる感覚があった。
A「うーん…多分、目覚める前に夢を見てたからかな?あれ、どんな夢だっけ…?」
赤司「無理に思い出さなくていいさ。何より、元気そうで良かったよ」
A「ふふっ、おかげさまで。…部活は?」
赤司「部活なら、監督に許可を取って休ませてもらったよ」
わざわざ部活を休ませちゃった…大したことないのに。
赤司「明日はオフだから、緑間や桃井も連れてみんなで来るから、楽しみにしててくれ」
A「ありがとう!…ねぇ、」
赤司「なんだ?」
A「…モモイって、誰?」
赤司くんは目を少し見開いてた。モモイって、本当に誰だろう?
聞いたことあるような、ないような。見た目も声も、性別さえ分かんない。覚えてない。
バスケ部のチームメイト?赤司くんの友達?それとも私の友達?
先生…ではないか。呼び捨てしてるし。
赤司「お前…桃井の事、覚えていないのか?」
A「う、うん…何も」
赤司「ピンク色の長い髪で、身長はお前と同じくらいで、いつもお前と一緒にいただろう?
その傷も、お前が桃井を庇った時に出来たもので、それから…バスケ部のマネージャーも
一緒にやっていただろう?…本当に、何も覚えてないか?」
重い雰囲気になる。相当ヤバいのかな、私。
A「うーん……ごめん、ちょっと分かんないかも」
赤司「…そうか。でも、俺の事は覚えていてくれて嬉しいよ。
それじゃ、俺は用事があるからこれで失礼するよ。今日はゆっくり休んでくれ」
A「ありがとう!また明日ね、バイバイ!」
私は赤司くんにベッドの上から小さく手を振って別れを告げた。
モモイって、本当に誰だろう…明日、連れてきてくれたらいいなぁ。
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作者名:きゃらめるりぼんぬ | 作成日時:2018年4月29日 23時