霊力Lv.70 日常、そして ページ24
ー翌朝ー
A「おはようございまーす。…なんで見るの?」
いつも通り入ったつもりなのに、なぜかみんなの視線が集まる。怖いよ?
桃井「あ、A!おはよう!昨日ね…」
さつきが話しかけてくれた瞬間、先ほどの凍りついた空気は消え去り、いつもの日常風景に戻っていた。
A「さつき、本当にありがとう…あんなに見られるとは思わなかった」
桃井「無視すればいいのよ。ね?」
A「うん、そうなんだけどね…癖、っていうか、よく分かんないけど、アレも含めていちいち反応しちゃうんだよね〜」
桃井「確かにAはそういうとこあるよね〜。…あ、チャイム鳴りそうだから席戻るね」
…懐かしい。本格的に日常が帰ってきた感じ。
嬉しい反面、日常が帰ってくるということは、
はぁ〜…本当、つくづく嫌な体質だと思う。
風邪みたいに誰かにうつったらいいのになぁ。申し訳ないけど。
『おい、小娘』
…早速来やがった。
『来やがった、とは失礼な奴だな。お前の願いを叶えてやろうとわざわざ足を運んだというに』
はいはい、すみません。んで、願いなんかないですけど?お引き取りください。
『嘘を言うでない。我らを感じる、その能力を誰かにうつしたいのだろう?叶えてやろう』
はい?余計なことしなくていいし、本心じゃないからいいです。
『なんとつまらん小娘だ。…まぁいい。少しは暇つぶしになるだろう。
対象は…おぉ、あの赤髪にしよう。さらばだ。また後で会おう』
赤髪…?って、あ!どこ行くのよ!…はぁ。ストレス。
まぁ、どこか行ったならいいや。ラッキー。
赤司「杠はいるか」
A「ここだよー。どうしたんだろう?」
朝学活後、急に赤司くんから呼び出しがかかった。
なんだろう?直接伝えなくちゃいけないくらい大切なことがあるのかな?
クラスがザワザワしてることの方が気になるんだけどさ。勘違いも
A「おまたせ!どうしたの?」
赤司「あぁ、調子はどうかと思ってね。様子を見に来ただけさ」
A「わざわざ気にかけてくれてありがとう!すっかり元気だし、大丈夫だよ!」
赤司『…なーんてな。見事に見分けがつかないのだな。実に愉快だ』
その瞬間、私の中で全てが繋がった。
さっき言ってた『赤髪』は、赤司くんのことだったのだ。
やってしまった。
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作者名:きゃらめるりぼんぬ | 作成日時:2018年4月29日 23時