【黒バス】探偵少女は真実を守る-episode extra-

▲Final answer-260-▲ ページ42

由「……抹殺上等だね。」



重苦しくなった空気を叩き割るように、由貴菜が不敵な笑みを浮かべて呟く。



由「いいじゃん、つまりは私達の命に値するレベルの高価な真実なんでしょ？

…こちとら、そんな物には滅多に遭遇出来ない庶民だからね。」



真「ユキ…。」



由「もちろん、真相を一から十まで知って、ただで死ぬつもりはない。

てゆーか、死なない。

何でもかんでも抹殺するようなクソババアに、私は負けない！」



由貴菜のその力強い宣言に、降旗達も心を決める。


降旗は頬をぴしゃり！と叩いて、"たかが"抹殺に怯えてしまった自分を、奮い立たせた。



降「そうだよ…今更抹殺ごときに怯える事なんてない。

俺は見たんだ、黒子が…抹殺に抗う姿を。

あいつだけ格好よく抗うなんてのは癪だよ。

俺も…例え相手が爆弾や銃を手にしていようと、最期まで抗ってやる。」



緋「皆…面白いね…本当。

あの暴虐な母様にここまで抗おうとするなんて。

………俺も、抗うよ。

そして、二度とあいつには日の出を見させない…そのくらいの気概でね。」



雄「まさか本当に抹殺されかねない事になるなてな…。

もちろん、こうなったからには全力で、相手が何をしてこようと真相を家族に持ち帰るつもりだけど。」



田「…何だか、申し訳ないな…私が、緋夢さんに交渉してほしいなんて言ったから…。

…っ…ううん、うじうじするのはやめる。

場所が場所なら、私は真相を聞くと同時に、今度こそ桃井さん達に謝る。」



全員が決意を露にする中、真澄は一人で呆けていた。


…もともと、真澄が由貴菜を巻き込んで始めた、女子高生の大したことのない探偵ごっこ。


それが今では、雄、田無、降旗、緋夢…こんなに大勢に支えられていて。


真犯人との交渉も、成立して。



由「どしたの、すーちゃん。」



真「……………。」



由「あっ…もしかしてぇ…？

まだ怖じ気づいてるの!?

もー吹っ切れちゃえばいいのに、」



真「…これが、人事を尽くして天命を待つ…って、事なのか…。」



降「……………。」



真澄の瞳には、大粒の涙が滲んでいた。


彼女はようやく、兄に対して素直になれたのだった。



Fin.



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