【黒バス】探偵少女は真実を守る-episode extra-

▲真実-236-▲ ページ18

降「こ、殺されるって…黒子が？

…なんで……なんでそんな事になってるのに。

それを皆さんは知ってるのに…。」



降旗が狼狽える。


知らなかった、でも、それなら筋は通る。


今まで黒子が頑なにあの日の事を口にしなかったのも、自分と必要以上に会話しなかったのも。



雄「あくまで憶測に過ぎない。

でも、監視カメラを設置したのが赤司ホールディングスって分かった事で、話は一気に飛躍する。

…ここまで来たら、何となく分かるだろ？

この事件には、赤司征十郎君に纏わる"知られてはいけない何か"が関わっている…。」



降「…………。」



雄「……けど、やっぱここから先は裏の世界云々になってきちゃうからな。

俺達に出来るのは、ローザさんが持ってくる情報の共有、あー後。」



雄はそこまで言うと、降旗を指差した。



雄「降旗君、君はなるべく毎日、大変だとは思うけど、黒子君のお見舞してやれよ？

…ただの友人のお見舞なら、相手もわざわざ詮索しないだろうし。」



降「…つまり、黒子の生存確認…ですか？」



雄「そゆこと。」



雄がニッと微笑む。


降旗は何だか重大な役目を任されたような気がして、落ち着かない。



田「………黒子君はさ、辛いと思うんだ。

本当は話したい事を話せない、口にしよう物ならいつ死ぬかも分からない。

…そんなだから、正直バスケどころじゃないだろうし…。」



降旗君、と田無が降旗の目を見る。



田「だから、不用意に"あの日の事を教えて"とか、言っちゃいけないと思う。

…万が一の場合、真相を聞いた側も何されるか分かったもんじゃないし。」



降「……っ…そう、か。

確かに…辛いよな……。」



黒子が目を覚ましてから、降旗は何度も何度も、あの日の事を問い掛けた。


黒子の心が少しでも軽くなるなら、と思い、頼むからと何回も訊いた。


そのたびに"知りません"だとか、"言いたくないです"だとか言われたけれど、今ならなんで頑なにそこまで言うのか理解できる。


しかも逆にそれが黒子の心を締め付けていたのならば、降旗は良くない事をした訳で。



降「俺、黒子に謝らなきゃだな……。

心の中で。」



これからは迂闊に言葉を発せられない、降旗はその事を肝に銘じた。


▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼
田無
http://uranai.nosv.org/uploader/uploaded_files/1/8/6/1863c00e70784f844ebaf2aff62897a5.jpg

▲真実-237-▲→←▲真実-235-▲

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す