【黒子のバスケ】関わらないでください25【赤司征十郎】

不登校＊1298 ページ50

‐赤司side‐


僕が読んでいた本について気になるのか、Aは聞いてきた。
別に隠すような本でもないのでAに渡すとAは中を見た。

「読むかい？読むなら貸してあげるよ？」
「難しい？」
「難しいところもあるけれど、なかなか面白いよ。短編だし、Aの好きそうな世界観だからAなら一日二日で読めるよ」

とAの頭を撫でながら言う。

「……征くんの本棚見てて思ったんだけどね、征くんって外国の本が好きなの？」
「いや、そういうわけでもないよ。日本の純文学も好きさ」

と本を早速読んでいるAに言う。
Aは自分から聞くくせに相手が答えているときに他の事をしていることがある。

人としてどうかとも思うが、Aは心を許さないやつにはそういうことはしない。
つまりは少なからず僕に心を許してくれている証拠だ。

それにそういうところがAの良さでもある。

「Aは好きかい？」
「私は大乱歩です。特に『人間椅子』と『何者』が大好きです」

とAは僕を見た。

「僕は『赤い部屋』かな。今では当たり前なのだろうけれど、偶然に頼るが一番完全犯罪だと見抜いたところが凄いと思うよ」
「そうですよね！探偵ものを書く人って頭がよくないと無理だから、私には無理です」

とAは苦笑した。

*****
江戸川乱歩氏の『人間椅子』『何者』『赤い部屋』題名だけお借りしました。
本当に面白いので皆さんも機会があれば是非！

それでは移行します。
移行しましたらお知らせします！

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