【黒子のバスケ】関わらないでください20【赤司征十郎】

不登校＊1021 ページ23

青峰さんも黄瀬さんも緑間さんも食べるがやっぱり美味しくないらしい。

「これホントにAちん〜？」
「ウエッ！なにこれ！マズッ！」

と黄瀬さんも渋い顔をして吐き出す。

マネージャーさんの一人が涙を流しながら顔を手で抑える。
周りのマネージャーさん達はその一人の肩に手を置いて私を涙目で睨む。


「酷い！私達謝ったでしょう！？」
「そうだよ…ッ！私ッ、ちゃんと佐々木さんの言う通りに……ッ…」
「佐々木さんってそういう人だったんだ。最低」


と言ってくる。

私がこれを言ったら征くんに嫌われちゃうかな……？
でも多分私の声が小さいのがいけないんだよね。

私が責任を取らなきゃ……


「そうですよ？何か問題でもありますか？なんで自分の彼氏に手作りお菓子をプレゼントする様な人の手伝いをしないといけないんですか」


私に出来る最高の演技で最低を演じよう。

きっと…いや絶対に征くんに嫌われてしまう。
だけど……私が悪者になればマネージャーさん達は悪者にならなくて済む。

皆が平和な解決法はこれしかない。

私一人の我慢で沢山の人が笑える。
私はそれを知っているから……

なのにどうしてかな。

演技は得意なのに嘘が吐けなくて、涙が出てきそうになるから私は立つ。
マネージャーさん達は驚いた顔をしながらも私を笑った。


「優しい人を演じて何が悪いんですか？馬鹿なのはどっちでしょうね。私に騙されるなんて」

とマネージャーさん達に言って食堂を出た。

これできっと征くんはマネージャーさん達を助けてあげて、私は征くんの前から消えることになる。


嗚呼……

凄く心が痛いんだ。
涙が止まらないんだ。


私は海が綺麗に見える、二階のテラスに出た。

不登校＊1022→←不登校＊1020

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す