不登校＊938 ページ40
‐赤司side‐
Aは頷くと申し訳なさそうに笑う。
「征くんに心配かけさすなんて…やっぱり私ダメだね……」
「そんなことない。Aはとっても素晴らしい子だよ」
と頭を撫でる。
でもAは首を振る。
Aは氷を押さえる手をおろした。
冷やしたのが早かったからか、赤みは引いていた。
「私…征くん達に迷惑をかけて挙げ句には心配をかけて……ほんとに何してるんだろ…」
と俯いていて自虐的に笑った。
そんなAを心配するように葉弥果がAの足を舐めた。
Aは葉弥果を撫でる。
「君は走馬くんみたいにきっといい馬になるよ〜！いい子だからね〜」
とAは話を逸らすように葉弥果に笑いながら言う。
その時鶏が鳴いてAは肩を震わせて驚く。
だけどAは立ち上がって鶏小屋に近付く。
「元気いいね、君達。あ、もしかしてさっきの言葉まだ気にしてた？ごめんね…」
と鶏に話し掛けるAの背中を見る。
「Aさん…でしたっけ、征十郎様の彼女さんは」
「あぁ。凄くいい子で可愛いんだよ」
と管理人を見る。
管理人は僕を見たあとにAの方を見た。
「そうでしょうね。動物が簡単に懐くんですから。それにしても不思議な子ですね。何かが欠けている気がします」
「感情だよ。彼女には人間として必要な感情が足りないから、子供らしさが残っているんだ」
と僕が言っていると少女が管理人の腰に抱き付いて僕を見る。
「上手く感情の表し方を知らないんだ。だけど誰よりも痛みや苦しみ、恐怖には敏感で、先程のように例え自分を悪く言った相手だとしても彼女は自分を簡単に犠牲にしてしまう」
とAの置いていった氷を見る。
Aに怒りや嫉妬という感情はきっとあるのだろうけれど、それは悲しみ苦しみと捉えてしまうのかも知れないな。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 34人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「アニメ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
木戸藍楽(プロフ) - 愛華♪さん» ありがとうございます！！続編がただいま完成しました！！ (2016年2月13日 21時) (
レス) id: 3693b8335e (このIDを非表示/違反報告)
愛華♪ - 後編おめでとうごさいます！後編まってますっ！ (2016年2月13日 12時) (レス) id: 24d374edab (このIDを非表示/違反報告)
木戸藍楽(プロフ) - ルナさん» ありがとうございます！！私も書くのが楽しみです！ (2016年2月12日 10時) (レス) id: 3693b8335e (このIDを非表示/違反報告)
ルナ - 続編おめでとうございます！合宿編がとても楽しみです！ (2016年2月12日 7時) (レス) id: a23f47daff (このIDを非表示/違反報告)
木戸藍楽(プロフ) - 扇さん» ありがとうございます！！私も早いと思います(笑) そうですよね！赤司様が夢主ちゃんを溺愛するお話になってきてるんですよ！そこにかなり私自身違和感があります(笑) でも夢主ちゃんを好きになってくださりありがとうございます！！更新頑張ります！！ (2016年2月2日 11時) (レス) id: 3693b8335e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：木戸藍楽
| 作成日時：2016年2月2日 0時
