【黒子のバスケ】関わらないでください6【赤司征十郎】

不登校＊299 ページ1

‐赤司side‐

「さて、今日の勉強どうだった？」


と聞くとAはふわっと笑った。

「なんだか先生以上に分かりやすかったです！家庭教師出来るんじゃないですか？」

と笑いながら言うA。

勉強中Aは真剣な顔で聞いてくれて、こっちもやりやすかった。


「じゃあこれからはAだけの家庭教師になろうかな」

なんて半分本気の冗談を言う。

Aは笑って受け流す。


君の閉ざしてしまった心をどうやって僕だけに開かせるか。


Aの心を覗くのは結構簡単なんだ。
でも堪えられるメンタルを僕は持ちあわせていない。

Aの心の中は今まで僕に聞かせてくれたあの弱音よりもっと、悲しいものが多い気がするからだ。


Aの作る壁はスゴく大きくて、Aの引く一線はスゴく長い。
そしてAの偽りの笑顔はスゴく単純だ。

単純というのは本当はかなり怖い。

簡単には気付かないからだ。


そしてそれを完璧にこなせるAは本当に悲しい。


「へ？なに言ってるんですか。赤司さんに冗談は似合いませんよ？」
「僕もたまには冗談を言ってみたいものさ」


と頬杖をつきながらAを見る。


「でも赤司さんが言うと冗談に聞こえませんよ」


と笑うA。

そう。
その何気無い笑顔でいい。

その偽りのない笑顔だけで笑ってくれ。


僕の手はAの頬に伸びていた。

不登校＊300→

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