6.弱い自分 ページ7
ざわざわと教室が騒がしくなる。チラリと前髪の間から辺りを見れば、教室にいた人たちだけでなく廊下にいる人たちもこちらを見ていて、全身から脂汗が噴き出る
注目を浴びることが嫌なんじゃない。これでも、私だって水泳部に所属しており、そこそこ成績を残しているから。だけど……
「ねえ、あれ」
「嫌ね、ここぞとばかりに見せつけちゃって」
「てか、やっぱりさ______」
こそこそ、ひそひそと全然隠れていない陰口が聞こえる
女の妬み、僻みが込められた瞳の数々。季節は夏で暑いのに寒気がとまらない。ガチガチと歯の根が合わず、震えが全身を襲う
「黄瀬、あまり大きな声で話すな。廊下まで聞こえてたぞ」
「そ、そんなにでかかったっすかね……?」
やれやれと言った感じの赤司くんの声を遠くで聞きながら、私はこの状況からどうやって脱すればいいのかとパニックに陥っている脳内で必死に考える
もう体の異常を隠せそうにない……
どうしようしか浮かんでこない自分の頭に苛立っていると、殊更わざとらしい「そうだっ」という明るい声が聞こえた
「あのね、涼くんに話があったんだ」
ゆっくり顔を上げれば、ちらりとこちらの様子を伺い、ひまわりみたいな笑顔を振りまけている水色さんがいた。気づいてる……?
彼女から黄瀬に話なんて部活のことしかないのに、学習しない馬鹿は無駄に期待していた。そのため、赤司くんが不機嫌になっているのだが……
彼女は何がしたいの?吐き気を我慢しながら、とりあえずこの三人の意識が私からそれたので、そっと彼らから離れ教室を出る
廊下に出た瞬間、今戻ってきたらしい友達にちょうど会えたので保健室に行ってくること勝手に伝えて、返事も聞かずに走った
本当は何度も助けられていた
知っているくせに彼女の見方をするのが怖くて、私はいつも知らない他人のふりをしていた
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星蛍(プロフ) - せりさん» ごめんなさい!!まだ編集途中で10月に外しますので、少々お待ち下さいm(__)m (2018年9月28日 22時) (レス) id: 3b9001af19 (このIDを非表示/違反報告)
せり(プロフ) - 続編はパスワードつきなのですね…見る事は出来ないのでしょうか?とても面白いので続きが気になります (2018年9月27日 16時) (レス) id: 9c9e090c7f (このIDを非表示/違反報告)
星蛍(プロフ) - きゅうさん» ありがとうございます! (2018年9月18日 7時) (レス) id: 3b9001af19 (このIDを非表示/違反報告)
きゅう - おもしろかったです! (2018年9月18日 5時) (レス) id: fb4f6b02b7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:星蛍 | 作成日時:2018年3月31日 14時