45.言えない言葉 ページ46
ひとしきり泣いた後、黄瀬のしでかしたこと、自分が気づけなかったこと、相談にのれなかったことなど話して、謝った
ひなは話にはうんうんと優しい笑顔で相槌を打ってくれるくせに、謝ると酷く焦ったように狼狽えて「私が悪いから」とだけ言うもんだから、胸が締め付けられた
「そっかあ。そんなことがあったのか」
あまり触れてほしくなかった内容なのか、ひなは気まずそうに視線を左斜め上に向ける
やっぱり迷惑だっただろうか、そう思ったのが顔に出ていたのか急にむすりと頬を膨らませたひなに驚く
「今、A迷惑だったかなって思ったでしょ」
「え、なんで?」
と聞けば、ぎゅうっと両頬を抓られた。痛い
「もうっ、Aはわかりやすいんだよ」
「
「そうですっ。てか、Aは気にしすぎなんだよ」
すっと解放された両頬はひりひりした。うん、見た目詐欺……
上品にバームクーヘンを食べるひなは可憐でひ弱な女の子って感じなのに、一年ほど前からそれは詐欺だと気づいた
「気にしすぎ、か」
「うん。そんなに人目気にしなくていいと思うよ」
「……ひなは気にしなさすぎでは?」
「あはははは、かもねえ」
怒られるかと思った、だいぶ調子に乗った発言は笑い飛ばされた。いつになく砕けた雰囲気の彼女にほっこりすると同時に懐かしくなる
ん?懐かしい?
なぜだ、と首を傾げる
そんな私の様子にふっと笑うひな
「そっちの方がいい」
「え?」
「きっと黄瀬くんも、そう言いたかったんだと思うよ」
はっとしてひなを見れば、寂しそうに笑みを浮かべて、一口、また一口とバームクーヘンを食べていた
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星蛍(プロフ) - せりさん» ごめんなさい!!まだ編集途中で10月に外しますので、少々お待ち下さいm(__)m (2018年9月28日 22時) (レス) id: 3b9001af19 (このIDを非表示/違反報告)
せり(プロフ) - 続編はパスワードつきなのですね…見る事は出来ないのでしょうか?とても面白いので続きが気になります (2018年9月27日 16時) (レス) id: 9c9e090c7f (このIDを非表示/違反報告)
星蛍(プロフ) - きゅうさん» ありがとうございます! (2018年9月18日 7時) (レス) id: 3b9001af19 (このIDを非表示/違反報告)
きゅう - おもしろかったです! (2018年9月18日 5時) (レス) id: fb4f6b02b7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:星蛍 | 作成日時:2018年3月31日 14時