【黒子のバスケ】もしも、あの日、あの時に......

42.変わったのは……？ ページ43

へらへらと笑いながら彼から話された内容に、ただただ茫然とする

と、同時に理解する


なぜ彼女が笑わなくなったのか
なせ彼女が休みがちになったのか
なぜ彼女が……泣いていたのか


「でも、意外っすよ。水っち、怒ったら引きずるタイプなんすね。もう全中決勝後からずっとあんな感じでもうお手上げっていうか」

「……本当にわからないの」


大袈裟に肩をすくめる黄瀬に沸々と怒りが湧いてくる

黄瀬はそんな私の変化に気づいたのか、困ったように笑いかける


「ちょ、何Aまで怒ってるんすか？だって、ちゃんと謝ったんすよ？まあ、怒ってるところも可愛いっていっ」


何もわかっていない黄瀬についに堪忍袋の緒が切れた私は、黄瀬を叩いた

パシンッという乾いた音が静かな教室に響く。黄瀬は最初、何が起きたかわかっていなかったが殴られたのだと気づくとギロリと睨んできた


「なんすか、いきなり」

「なんでわかんないのよっ。ひなは謝罪がほしいわけじゃないでしょ？！」


きっと謝ってほしいわけじゃないのだ。ただ、こんなこともうしてほしくなかっただけ

感情のバロメーターが振り切ってしまった私は、頬を伝う涙に気づかぬまま感情任せに言葉で黄瀬を殴る


「なんでわかんないのよっ。前のあんたなら気づいてたでしょっ。どうして変わっちゃったのよ！！」


こんなの黄瀬じゃない。私の幼馴染はこんなことしないっ

そう叫ぶように言えば、それまで黙っていた黄瀬が徐に口を開いた


「それ、Aが言うんすか？」

「え……？」


はっと鼻で笑う黄瀬に、あの事件のときとは違う寒さが背筋を這った

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