41.予兆 ページ42
私の偶然は神様の悪戯でしかない
悪いことしか起きないこの運命は今回も変わらなかった……
ひなの泣き顔を見たあの日から一週間ほど、彼女は学校を休んだ
二、三日休むことはあってもここまで長く休んだことがなかったので、少し心配になった
ひなの机から溢れるくらい溜まりにたまったプリント類と、未だ続いている細やかな嫌がれせのごみとを分別する
お見舞いとかいったことはないし、迷惑かもしれないけど、去年の夏に早退した私を気にかけて差し入れと手紙をくれた彼女を今頃になって思い出した。これくらい、いいよね……?
そう思いながら、ごみを捨て、プリントを束ねていた
「……何してるんすか?」
突然背後から伸びてきた手と、久しぶりに聞いた幼馴染の声に体が強張った
恐る恐る振り向けば、右肩のすぐ横に黄瀬の顔があった。あまりの近さに顔が熱くなる
黄瀬はそんな私の動揺をお構いなしに、プリントを束ねていた私の右手首をそっと握った
な、何だこの状況はっ!!
そう叫びたいのをぐっと堪える。きせりょファンが見たら刺されそうな状況下なので、深呼吸をして自分を落ち着かせる
「ひなの……水色さんのお見舞い。ずっと前、してくれたから」
「水っち、優しいっすからね」
声が震えないように努めながら、言葉を紡げば、黄瀬は苦笑した
何とも言えない黄瀬の雰囲気に呑まれそうになる。だが、せっかくのチャンスを生かさない手はないと思い直し、黄瀬の手を振りほどく
「バスケ部なんかあったの?」
「なんかって?」
「最近、ひなの様子が可笑しいし、あんたも変だから」
プリントの端と端をそろえて、ファイルにいれる
黄瀬は少し考える素振りをして、ふと思い当たることがあったのか気まずそうに頬かいた
「なんか、俺達の試合が気に入らなかったのか怒ってるんすよ」
「試合?」
眉を潜めて聞き返せば、彼は何とでもないと言った風に話し始めた
全中での試合内容を……
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星蛍(プロフ) - せりさん» ごめんなさい!!まだ編集途中で10月に外しますので、少々お待ち下さいm(__)m (2018年9月28日 22時) (レス) id: 3b9001af19 (このIDを非表示/違反報告)
せり(プロフ) - 続編はパスワードつきなのですね…見る事は出来ないのでしょうか?とても面白いので続きが気になります (2018年9月27日 16時) (レス) id: 9c9e090c7f (このIDを非表示/違反報告)
星蛍(プロフ) - きゅうさん» ありがとうございます! (2018年9月18日 7時) (レス) id: 3b9001af19 (このIDを非表示/違反報告)
きゅう - おもしろかったです! (2018年9月18日 5時) (レス) id: fb4f6b02b7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:星蛍 | 作成日時:2018年3月31日 14時