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1.日常茶飯事 ページ2

キーンコーンカーンコーン、という授業終了のチャイムの鐘が耳に入り、昔へと飛んでいた意識が現在へ戻ってくる


「よし、今日はここまで」


数学の松本先生の言葉が聞え、慌てて号令をかける。寝ていたのがばれたかと不安になったが、先生は挨拶が済むとスタスタと足早に教室を去って行った

途中までしか写せていないノートを見て、係りの友達に待つように頼み、大急ぎで板書していく

なんとか書き終え、友達にお礼を言ったとき、教室の端から端まで聞こえるんじゃないかというくらい五月蠅い幼馴染の声がした


「水っち、水っち、聞いて下さいっす!」

「えぇー」

「ちょ、まだなんもいってないんすけどっ!?」


大げさな反応。水色さんもそれがわかっているので、あっさりスルーしている。そんな水色さんの様子に声をかけた主、黄瀬涼太は「冷たいっ」と言って涙くんでいる

だが、自分の身の回りを片しながら「それで?」と話の催促をかける彼女はやっぱり優しい。そんなことすれば、あのバカが思い上るだけだと知っているのに……

案の定、黄瀬は目を輝かせ、喜の感情を全開にして話し始めた。もし黄瀬に犬の尻尾があったら、ぶんぶんと振っていたことだろう

もうとっくに見慣れた教室の光景に小さくため息を吐く。もちろん、単純な幼馴染に対して……

すると、唐突にこちらを振り向いた黄瀬と目があった


「げっ……」

「なんすか、『げっ』て」


いかにも不愉快という顔ではあとわざとらしく大きくため息をつく黄瀬。水色さんとは正反対なあからさまな態度にイラッとする

そりゃ、私が悪いけどさ。でも、条件反射みたいなものだし……

なーんて、口には出さず心の中でぶつくさ言い訳してみる。黄瀬はもうどうでもいいようでまた水色さんに話しかけていた



昔は仲良かったのにな……


とっくの昔に奪われた彼女のポジションに未練がましくもそう思った

突き放したのは自分だというのに……

2.鳥肌と慣れ→←+ 第一章 紅い陽炎 +



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星蛍(プロフ) - せりさん» ごめんなさい!!まだ編集途中で10月に外しますので、少々お待ち下さいm(__)m (2018年9月28日 22時) (レス) id: 3b9001af19 (このIDを非表示/違反報告)
せり(プロフ) - 続編はパスワードつきなのですね…見る事は出来ないのでしょうか?とても面白いので続きが気になります (2018年9月27日 16時) (レス) id: 9c9e090c7f (このIDを非表示/違反報告)
星蛍(プロフ) - きゅうさん» ありがとうございます! (2018年9月18日 7時) (レス) id: 3b9001af19 (このIDを非表示/違反報告)
きゅう - おもしろかったです! (2018年9月18日 5時) (レス) id: fb4f6b02b7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:星蛍 | 作成日時:2018年3月31日 14時

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