【悪ノ大罪×ジョジョ】ツェペリ公の狂気<シーザー> (ページ7)

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色欲の公爵5 ページ7

「…はぁ…」

シーザーと出会って一週間後、スージーQはいつものように、ウエイトレスとして町のレストランで仕事をしていた。
…が、この頃頭がぼんやりとしてしまうことが多く続いた。仕事中であるにも関わらずに手を上手く動かすことが出来ない。
一体いつからこうなってしまっていた？その答えをスージーQはもうわかっている。それはあの男…シーザー・ツェペリのあの妖しくも美しい瞳に見つめられた時からだ。
あの後のジョセフとのデートも、心から楽しむことができなかった。ずっとずっと、彼の瞳や声が頭の中で反芻してしまうせいだ。…まるで、シーザーに心を包み込まれたような…そんな感覚をここ一週間、感じていた。

「注文いいかな、ウェイトレスさん？」

不意に呼ばれた声に、スージーQは夢見心地だった気分から現実へと引き戻される。
＿＿そして一瞬、耳を疑った。まさかこの声が今自分の耳に入るはずがない、そう思ったからだ。

「…公爵様…」

「やぁ、スージーQ、一週間ぶり」

声のする方を振り向けば、微笑みを浮かべるシーザーがそこにいた。

その夜、レストランが店仕舞いした後、スージーQはシーザーに連れられて夜道を歩いていた。彼は食事を終えてからも、スージーQの仕事が終わるまで待っていたのだ。

「わざわざ送ってもらわなくてよかったのに…」

「こんな夜道に女性が一人で帰るなんて、放っては置けないからね…」

「そういう公爵様だって…」

「公爵様はよしてくれ、シーザーで構わない」

言葉を遮ったシーザーにそう言われたスージーQは少し躊躇ったが、彼の言われた通りに呼ぶことにした。

「…シーザーだって一人じゃない。カーズ…だったかしら？あの従者様は？貴族の人がこんな夜に出歩いたらそれこそ危険よ！
それにシーザー、昔身体が弱かったんでしょう？今は良くてももし何かあったらどうするの？」

「… 彼の料理はどうも口に合わなくてね…たまにこっそり抜け出して、外で食事するのさ。
心配ない、武術の心得はあるし、薬も常備しているから」

「もう…シーザーってばやっぱりかわってるのね！」

「ははっ…そうかな？」

ふわふわしてどうも掴みどころのない男だ、とスージーQは正直そう思った。
だけど何故だろう、彼の声を聞いたり、仕草を見ていると、なんだか心が安らいでしまう。
まるで、甘いお菓子をじっくり味わっているみたいだ。