演練の宿命 ページ11
話しているうちに時は過ぎ、演練に行く時間になった。
前は演練なんてろくに行かせてもらってなかったので、少し楽しみだ。
…何故、少しなのかというと。
「あれ？この本丸、大和守さんが前にいたとこの………、いえ、名前が1文字違いました。普通の本丸です」
「よ、良かった…」
「此方の本丸は、大和守さんが隊長なんですね！」
「そうなんだ…」
「此処にも大和守さんと加州さんがいますよ！」
「ま、前田？僕の事はもういいよ…」
「此処とか極ですよ極！どんな感じなんでしょうか…！」
…辛いよ主、ブラック本丸の時と違った辛さがあるよ……。でも主はその赤いおもちゃが好きなんだね、僕の事見てないでしょ。知ってた。
演練における、僕達打刀の宿命、それは……
「「同じ存在が多すぎ！」」
清光と声が揃った。主と膝丸がおお…、と感心している。
「いやいくらお手軽に来てくれて割と打撃もあって安定してるけど、これは酷くない！？それぞれの本丸で俺が主に愛されてるのはいいけど、自分には会いたくない！」
「確かに僕らは昼戦も夜戦も出来るし機動もそこそこいいけど、此処まで被るものなのかな！？」
「すげー自画自賛だ…。自意識高いのかなー」
主の聞き捨てならない一言が耳に入る。いくら心が広い(当社比)僕でも許せない一言だ。
「「自画自賛じゃない！」」
打刀事情を聞いた前田が悲しそうに呟いた。
「うぅ…、打撃も衝力も無い短刀では、夜戦でもなければ足手まといで使えない…。だから皆さん短刀を使わないのですね…！此方は主君の為に精一杯努力しているというのに………」
主はぽかーんとしている。顔が真っ赤なおもちゃと同じに見える。
そして僕達のせいで、主が赤べこから目を離した。多分とても珍しい。
「いや…、その……。膝丸さんもう飽きて演練待機部屋に入ってますけど…。あの人内心気まずそうなんだけど………。早く行かないかーい、おーい」
やっと口を開いた主の呟きは、なかなか僕らに届かなかった。
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さかな式(プロフ) - 九十九さん» 嬉しいです、ありがとうございます！拙い文章ですが、宜しくお願いします (2018年1月16日 20時) (
レス) id: 5d86fbdd38 (このIDを非表示/違反報告)
九十九(プロフ) - 面白かったです！頑張ってください！楽しみにしてますよ。 (2018年1月15日 21時) (レス) id: 6ccd555bc2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さかな式 | 作成日時：2018年1月14日 15時
