『黒子のバスケ』flag建設少女Ｘの憂鬱『トリップ』

かける言葉 ページ18

和成の学校との試合結果を先に述べておこう


こっちの、圧勝だ


とくに、みんなこの試合にすごく力を入れていたというか・・・やる気マックスだった


あの青峰でさえ


チラリと和成のほうを見たら、下を向いて涙を流していた


桃井「Aちゃん、友達のところにいってもいいよ？・・・気になるんでしょ？」


『さつき・・・うん、行ってくる、ごめんね』


そういってすぐに走り出した私は、気づかなかった


桃井「ごめんね、Aちゃんの一番の友達がいるってみんなに教えちゃったら・・・みんなすごくやる気出しちゃったんだ」


そう、呟いていたことに・・・


・
『和成っ！』


廊下を歩いてる団体の、一番後ろにいる和成に声をかけた


ゆっくり振り向いた和成の目は赤く腫れていて、今までに見たことがないような悲しそうな顔をしていた


高尾「A・・・どうしたんだよ？おまえ、帝光のマネジだろ？いなくていいのか？」


そういって、ヘラリと笑う和成


『・・・私は、知り合って間もない、勝つのが当たり前だと思ってる人たちより、前からの友人で負けて泣いてる和成を選ぶ

だいたい、私マネジじゃないし』


少しだけ目をそらして和成にタオルを投げつけた


『いろいろ言いたいことあるけど・・・私が言っても説得力ないからやめとくわ

一つだけ言いたいのは、今の私を帝光の一之瀬Aだと思わないで

あんたの友人の一人、一之瀬Aとして接してほしいな』


言い終わると同時に、肩に違和感を感じた


視線を右に移すと、そこには黒い髪


どうやら和成が私の肩に顔をうずめているようだ


・・・こんな展開、前もあったような・・・


高尾「っう・・・」


『・・・』


勝者が敗者にかける言葉は、ない


けど、これくらいなら言ってもいいよね？


『お疲れ様、頑張ったね・・・試合中の和成、すごく格好良かったよ』

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