ストロベリースカッシュ《三ツ谷隆》

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翌日の小テストは最悪。

あの事で慌ててしまって教科書を持って帰れなかったのも原因だろう。
授業中も三ツ谷が気になって仕方なくて、全然集中できなくて。
放課後に呼び出し。



「部活ばっかりしてるからじゃないのか？」

『すいませんでした』



不貞腐れた返事に担任も呆れ気味で、長々と続く説教は三十分を越していた。
今日は部活に行けそうにない。



「失礼します」



よく知った低い声に耳がピクリと反応する。



「センセー、日誌持ってきたんスけど」

「おぉ、三ツ谷、お前からも言ってやってくれよ」



そこで初めて私を見た三ツ谷が、口パクで「バーカ」ってしてきて。
誰のせいでこんな事になってるんだよ！って言ってやりたかった。



「A、今日部活は？」

『今日は行かない！』



職員室を出て、並んで廊下を歩いていれば昨日の事なんて知らないって感じの三ツ谷が普通に話しかけてくるから腹が立つ。
好きだぜ、とか言っておいてコイツ何なの？と思いながらも頬に触れた感触が消えてくれなくて。
そっちが何もなかった事にするなら、私だって蚊に刺されたとでも思っておこう。

じゃないと、頭が三ツ谷で支配されそうだから。







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