お前の永遠に寄り添いたかった ページ14
蠍「お前は………死ねないと、言った。これからも出会い、別れ、いくつもの生と死を見るはずだろうな」
『……』
気付けば手から力は抜け、貫かんとする意思すらどこかへ行っていた
蠍「俺は………お前を、独りにはしたくなかった……俺自身、孤独の辛さは分かってたからな…」
『じゃあ、何で……私を置いて行った』
蠍「お前の永遠に美しさを感じた…それと同時に、俺がお前と永久に生きる為、どうすれば良いか………考えた」
そう語るサソリの表情は二人で過ごした日のままだった
横たわる彼の瞳はしっかりとAを見据えていた
蠍「お前は俺の造る傀儡を好いてくれてたな………嬉しかったんだ…柄にもなく…………それで…どこで間違えたんだろうな…俺は俺自身を傀儡にしようとした……まぁ、完成したら追われる身になっちまったが…」
『っそんな……』
全てはAの為
やり方を間違えた故、運命を違えたが、確かな愛情があったのだ
蠍「………お前を忘れて、本当に傀儡になろうとした……もう同じ時を生きているだけで良かった。でも、お前の声、笑顔、仕種……全部が俺を形作って……忘れられねぇんだ……」
その声は震え、掠れていた
涙を堪えるように唇を噛む姿に、遂に刀を手放しそうになる
それはサソリの手によって阻まれたが
ゆっくりと体を起こし、再びAに刀を構えさせた
蠍「結局……こんな結末だ…………どうせ帰ったところで殺される…………ただ、お前の永遠に寄り添いたかっただけなのに………俺は…」
『……私は……私は……お前の孤独に、気づいてやれなかった……のか…』
大粒の涙が零れる
歯を食いしばり、俯くAの頬を撫で、見つめるサソリは人形等ではない
純粋な笑顔を浮かべていた
蠍「もう……俺は十分に愛を知った……だからもう傀儡になんかなれねぇ……せめて、どこの誰とも知らねぇ奴に殺されるくらいなら……お前のその手で」
『嫌だっ………嫌だ………』
拒んだ腕を掴み、左胸に突き立てる
声も出ない程嗚咽をあげるAを宥めるように抱きしめれば 深くその胸を刃が貫いた
引き返せない運命を呪うようにサソリの体を抱きしめた
蠍「ありが………とう…な………………」
消え入りそうになる声が虚空を切り、最後の口づけを交わす
蠍「お前の………記憶に俺が……いつまでも生きられるなら…十分だ………」
愛してる
声の無い口はそう告げ、サソリの体は力を失った
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鈴(プロフ) - あ!リクエストはNARUTOの暁の逆ハーとか、学園物の話とかがいいです!オチはサソリかデイダラが希望です!参考程度に宜しくお願い致します!(*・ω・)*_ _)ペコリ (2018年1月13日 20時) (レス) id: 78dbacfd46 (このIDを非表示/違反報告)
鈴(プロフ) - はじめまして!鈴です!(*´∀`*)良い話ですね!思わず号泣してしまいました(T^T) Le-Southさんの作品また見させて頂きます!これからも頑張って下さい( ̄^ ̄ゞあ!私も作品作っていますので良ければ見て頂けると嬉しいです(*´ω`*) (2018年1月13日 20時) (レス) id: 78dbacfd46 (このIDを非表示/違反報告)
ヒナハ - ガチめに泣きました。号泣です。とても、いい、お話だと思います。 (2017年5月13日 21時) (レス) id: a3c82cccc6 (このIDを非表示/違反報告)
うさぎ大福 - めっちゃ感動しました!もう本当に号泣してしまって・・・・(泣)ここまで感動したのは、初めてです! (2016年10月31日 0時) (レス) id: 0eed4a84da (このIDを非表示/違反報告)
国見優香★無気力LOVE♪(プロフ) - 面白いかったです!サソリ大好きです!すごく感動しました(泣 これからも頑張ってください(ニコッ (2015年11月25日 22時) (レス) id: 4c974c47dc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Le-South | 作成日時:2014年11月6日 20時