【霧崎第一】ダンス部員だった少女は転生トリップしたそうです【黒子のバスケ】

45.そいつのイメージ ページ10

花「…は？」




当然、驚いている花宮くん
そりゃ今までこれといった接点が無かった、クラスメイトがこんなことを言ったら驚くだろう



花宮くんの驚いた顔が見れて
どこか勝った気になり優越感を覚えた私は、頬が緩んでしまった



ああ、花宮くんから見たら不気味だろうな




驚いて固まったままだった、花宮くんは
後に、冷たい表情になっていたが
それも変わり、ふはっと決して良いことを考えていない笑いをあげた



当の私は、大きい眠気が迫っていた



でもここで寝るわけにはいかない、という謎の信念が私を寝させない




いつしか、笑いを止めた花宮くんの瞳は
私を捉えていた




花「…ふはっ、へぇ…あんたがねぇ…」




意味ありげな言葉を並べる花宮くんは
眠た気にしている私を察したのか




花「…とりあえずアンタは眠っとけ」




花宮くんの言葉を最後に、私は眠った


＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊


花「はぁー…」




余裕をこいていた表情から、力が抜ける
考える時間が欲しい、と思い
「寝ろ」と言えば寝るような危機感の無い奴に、己の隠していたことがバレていた現実に妙に腹が立つ



目の前で眠っているクラスメイト、罪沢 Aを見て溜め息をつき、何故こうなったのか振り返る




最初は、ただの教師の好感度を上げるための行いだった



教師が運んでくれ、と言うもんだから
乗り気では無かったが運ぶと



明らかにいい子が言いそうな台詞を並べただけだった



なんでもする、と言ったところで
流石に調子に乗りすぎた、と思ったその時には
目の前の人物がただのクラスメイトでは無く、既に俺の道を塞ぐ“厄介者”に成りかねない存在になっていた



……まぁ先ずは口封じだ。潰すか？脅すか？それとも話せば聞いてくれるような奴か？



俺のなかでの印象は「いい子」「常に笑顔」「面白味があり、慕われている」程度のものだったのだが、決していい性格とは言えない原達と関わる姿を見て、ますます分からなくなってきた



仮に俺が印象付けていた「いい子」だとすると、原達が長く関わっている筈が無い



それに加えて俺に猫かぶりをやめろ、と煽るような形で言うのはどうも善人には思えない




……もしかして俺と同じ部類か？




……いや、猫かぶりを何も考えずただ楽しんで人生を送っている低脳な奴に出来る筈がない




花「(……話をつけるだけでいいか。)」




後に、俺は罪沢を甘く見ていたことを後悔することになる

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