【霧崎第一】ダンス部員だった少女は転生トリップしたそうです【黒子のバスケ】

50.みんな違ってみんな悪い ページ15

原「(…っべー花宮に拳骨くらわないための、とっさに出た嘘とか言えね)」


古「(罪沢も大変だな)」


瀬「フゴッ」


山崎「(罪沢ガンバ)」


花「…」




其々が違う思いを抱くなか、花宮ただ一人は悪どい笑みを浮かべていた



そんな気味の悪い花宮に、メンバーは話しかけた




原「にっしても、花宮もグイグイいくよなー」


山崎「あぁ、驚いたぜ。なんでまた？」


花「まぁ、な」




曖昧な返事をする花宮に二人は
これ以上聞いても仕方がないだろう、と後ろへ引き下がった



少しの間、沈黙が流れる。体育館横の草を踏む音だけが聞こえるなか、古橋が口を開いた




古「それにしても、なんで罪沢なんだ？花宮の外見で騒ぐような女子じゃ無いのは分かるが…それなら他にいたはずだろう。」




沈黙のなかだからか、古橋の声はよく響いた



古橋が聞いたことは其処にいたメンバー
花宮以外全員が思っていたことだった



花宮が足を止め、メンバーがいる後ろへ振り向く。そして話始めた




花「アイツの…罪沢の良くないことを思っている顔って見たことあるか？」




良くないこと、と言えば悲しいこと辛いこと怒った顔…ということだろう。メンバーは其々の記憶を辿っていた



この時点で、頭の回転が早い瀬戸は
花宮の本性を知って数ヵ月にも関わらず
またコイツの悪い趣味か、とこれから花宮が話すことは予想がついていた




山崎「ない…な」


古「俺は会う機会が少ないのも有るが、会うときは殆ど笑顔だな。」


原「ノリでだったらあるけど、それ以外だったら無いかなー、いつもニコニコしてる。」


瀬「申し訳なさそうな顔と、怯えた顔だったら初対面のときにたくさん。」



瀬戸の発言に、お前会って早々なにしたんだよ、と思うメンバーだったが
花宮が話しそうだったので、そちらに耳を傾けた




花「だろーな。俺もあいつのそういう顔は、昨日や今日みたいな日でも少しくらいだ。」




花宮の言う通り、Aは今日のような日でも
自然に苦笑いを浮かべていたのだった



花宮の発言に確かに…と口を揃える彼等




花「で、今日少しだけ笑ってない顔を見たんだ。その時にな…」





“コイツの歪んだ顔をもっと見たいって思ったんだよ”



だから彼奴がマネになってからじっくり考えるつもりだ、と彼は続けた


同じような性格だとしても未だ少し慣れない悪童の発言を、メンバーは其々苦笑を浮かべたり冷や汗をかくばかりだった

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