★3 ページ3
「楽しかったー！！相葉さんすごい！」
私は興奮して、何だかブルブルと震えてしまった
「うひゃひゃ。楽しんでもらえたなら何より」
相葉さんの絵本の読み聞かせは普通ではなかった
地学が専門らしく
お話の随所に一見関係ない地層の話を挟んだり、鉱物の話が出たり、天気図の読み方が現れたり
とにかく、展開が読めずワクワクしっぱなしだった
「んふふ。良かったね相葉さん、星子がこんなに気に入ってるから子どもにも好評だよ」
「二宮さん？それは私が子どもだって言いたいんですか？…」
私は拗ねて口を尖らすと
二宮さんはフッと笑うと
「星子は…大人なの？ん？」
と顎を上げて斜めに見下ろされた
その冷たい目に宿るほんのりと薫る色気にドキリとする
「な……オトナですっ」
「ふうん……」
二宮さんは腕を組んで首を小刻みに揺らしながら
何やら英語の歌詞で鼻唄を歌う
(ん？)
よく聞くと……知った羊の歌のメロディだった
「羊でもありませんからっ！！！」
「そー？見た目がノンビリぽわぽわしてるのに
ー。」
二宮さんはニヤリと笑って、私の頭をぽんぽんと軽く叩くと
「じゃあ、オレ戻るねA……」
(な、名前で呼んだ……)
と、白衣に手を入れて歩いていく
近くで見ていた相葉さんは
何やら難しい顔をして、ぼんやりと私の向こうを見ていた
「相葉さん？」
「あ、ああ、ごめん。Aちゃんがニノと仲良しだなぁって」
弾かれたようにいつも通りの笑顔の相葉さん
「いつもあしらわれてばかりですよ。子ども扱い。羊だとか……失礼しちゃう」
私はわざと明るくそう返した
「ふふ。そのままでいてね、Aちゃん」
相葉さんはちょっと複雑な顔をして笑った
「？はい……？」
「Aちゃんなら、案外……変えられるかもしれない」
小さく呟いた相葉さんの声は実は耳に届いていたけれど、私はそれには気づかないフリをした
(言いたくなったら、話してくれるはず)
「さあーて、花菜に会いに行こーっと！今日は有り難う。またね、Aちゃん！」
相葉さんは彼女さんとデートだ！と急いで帰って行った
私は目当ての小説を手に閲覧室へ向かった
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 486人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
櫻宮 - またまたコメ失礼します。櫻宮です。星月夜には愛を謳うのパスワード教えていただけないでしょうか？よろしくお願いします！ (2021年7月23日 16時) (
レス) id: 59853f2783 (このIDを非表示/違反報告)
櫻宮 - 分かりました！わざわざコメ辺ありがとうございますm(_ _)m (2021年7月22日 9時) (レス) id: 59853f2783 (このIDを非表示/違反報告)
咲詩(さきうた)(プロフ) - 櫻宮さん» 櫻宮さん。コメントありがとうございます。お問合わせのパスワードは『夜空を君と公開について』をご覧ください。再公開のため新しい内容ではないです予めご了承くださいm(_ _)m (2021年7月19日 22時) (レス) id: 1da0056f17 (このIDを非表示/違反報告)
櫻宮 - 初めまして。櫻宮です。一つお聞きしたいことがありまして...この[夜空を君と]の３と４がパスワード認証になっており中身が見れません。パスワードを教えていただけないでしょうか？よろしくお願いします。 (2021年7月19日 18時) (レス) id: 59853f2783 (このIDを非表示/違反報告)
咲(智咲)(プロフ) - ぷうさん» コメントありがとう。翔さんにチェロ持たせたいよー( *´艸｀) 似合うと思うの麗しいよね！しかもリベルタンゴを是非！願望駄々もれです(笑)続きも頑張りますね！ (2016年9月13日 20時) (レス) id: ba6a9accd5 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：咲詩(さきうた)
| 作成日時：2016年8月17日 9時
