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11.水族館-2 ページ11
「待ってジンベエザメソフトある 食べる食べる食べる」
「もうちょっと落ち着いテ、逃げないかラ」
ひとしきり周り終わり、出口の売店近くまで来るとお土産コーナーの隣にジンベエザメをモチーフにした青いソフトクリームが売られている。この水族館の目玉商品らしい。
逆先はその隣のメンダコゼリーがいいと言うので、ソフトとゼリーを一つずつ購入してイートインスペースに腰を落ち着ける。涼しい中でも長いこと歩けば知らず知らずのうちに疲れていたようで、座った二人はホッと息を吐いた。
「そのゼリー何味？」
「ミカン」
「メンダコ味じゃないんか〜い」
「…それハ？ ソフトクリーム」
「これ？ ソーダ？ みたいな味する」
「ジンベエ味じゃないんダ」
「いや気持ち悪っ」
「ほラ、そうなるんじゃなイ」
時刻は午後2時ぴったり。夏で言えば一番暑い時間帯に用事が終わってしまったわけである。
イルカショーも見て、館内の展示も全て見て、途中からは興味もない魚の説明文まで全部読んだ。お土産コーナーも隅から隅まで見て、水族館で過ごせる最大限の時間まで粘ってこれ。試しに一歩外に出てみるが、これはもう人が死ぬ暑さだと悟って館内へとんぼ返りする。
「…ね、2時間だけカラオケ行かない？」
「まタ？」
「あんたアイドルなんだから自主練になるじゃん」
「いやまあそうだけド…」
「それにこの前のライブ私行けなかったし」
「ねえボクのこと無料で会える都合いいアイドルだと思ってなイ？」
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作者名：アボカドサラダ | 作成日時：2023年8月18日 21時
