【SERVAMP】【カゲプロ】８月上旬頃にトラックに轢かれたらトリップしちゃいました！？〜Episode Null〜

あと４話……ありがとう。 ページ45

〜Aside〜
溢れそうになった本音を心の奥底へ無理矢理引っ込める。

…本当に、綺麗な言葉ばっかりだから、裏表の無い言葉ばっかりだから、思わず出そうになっちゃうなぁ。

『………ありがとう』

「えっ、あっ、いやその…………どう、いたしまして……？」

『うん。………今は、その言葉だけで充分だから。

これでも結構、桜哉の事頼りにしてるし助けてもらってるんだよ？』

「…………そうは見えないんだけどね」

やだ桜哉辛辣((

でも、やっぱり僕が何か吹っ切れたのが分かるのか、さっきまでとは違い年相応の可愛らしい自然な笑みを浮かべている。

……この洞察力………いつか、僕が隠してること全てバレそうで怖いなぁ。

桜哉と居ると、すでに全てが見透かされてるんじゃないかと不安になり…恐怖する。

実は今この時点で隠し事なんて出来ていなくて、桜哉は僕の事を大嫌いになっているんじゃないか。
お姉ちゃんの事も知ってて、僕の事が殺したいほど憎いんじゃないか。

ずっと思ってる。



…………でも、今の言葉は本当に言ってくれたって、僕に笑いかけてくれたって分かるから。

"僕の事が嫌いじゃない"。その事実だけで僕は結構君に救われているんだ。

僕は人に嫌われるのが怖くて恐くて仕方がない弱虫だから……それだけで"救われた"と思ってしまうんだ。





僕は目頭が熱くなっていくのを感じてとっさに能力を使い前を向いた。

『………よし、じゃあ桜哉ん家に向かおうか』

「ホントは帰りたくないけどね」

僕も、ホントは帰らせたくないけどね。

『あはは、そんな苦い声出さなくてもw』

ゆっくりと歩き出しながら笑い声をあげる。

大丈夫かな、涙声になってないかな。なんて心配しながら話す。

「苦い声って…Aってたまにおばあちゃんみたいな言葉使うよね」

『なんだと〜！ そう言う桜哉はよく年不相応な言葉遣いとかじゃん！ 難しい言葉使ったり遠回しな表現したり！

一体誰の影響だか！』

「誰のせいか分かってる？」

『分かんなーいっ！』

「このっ…！」

僕を捕まえようとしてくる桜哉を避けながら、桜哉の家までの道を進む。

…………楽しいな。なんて、僕が感じても良い感情なのか分からないけど。



少しでも長く、こんな状態が続けば良いのに。

迫り来るタイムリミットを感じながら僕は思う。



僕なんかが、今こんなにも幸せだなんて。

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