7.ため息(1) ページ9
ーー
「はあああ……」
「またため息」
珍しく放課後に一緒に帰ろうと薫から呼び出しがあったかと思えば、ずっとこれ。
ため息を吐いては、遠くの方を見る。
しばらくその繰り返し。
「……どうしたの、なんかあった？」
ため息十回目を超えようとしたところで俺が声をかけると、『待ってました』と言わんばかりに目を輝かせる薫。
まるで突っ込まれるのを待っていたというような彼に苦笑い。
触れていいものか分からなかったけど突っ込んだ方良かったんだね……。
「女の子絡みでちょっとね〜…」
「薫が？珍しい」
「俺自身もらしくないとは思うんだよね……。や、心が折れるって程ではないんだけど……」
なんとも言い切れないような言い方をし、今度は小さく唸る。
歩くペースもいつもよりゆっくりで足取りも重いのか。
本当に悩んでるみたい。
……薫が今考えてるのはどんな女の子なんだろうなぁ、なんては思うが、本人の口から聞きたいという訳ではない。
結局俺は現実から目を背けたいだけなんだろう。
「女の子ね……。そんな中、さ。なんで俺が呼び出されたの……？」
「ん〜？」
女の子のことは俺はどうにもできない。
都合良くそう決めつけた俺は一番知りたかったことを薫に聞いてみた。
呼び出されて嬉しかったのは事実。
それがどんな理由であれ、悲しむことはない……と思いたい。時間を共有できるだけで嬉しいのだから。
「Aといれば…落ち着くかなって……」
「えっ」
軽い口調ではなく、本心を言っているような喋り方にどきりと心臓が高鳴る。
俺といたら、って。
驚きと喜びの混じった声が出てしまい、恥ずかしさに口元を押さえ薫を見るが、気にしていないようだった。
こちらも気にしていたのが更に恥ずかしくなり、紛らわすために小さく咳払い。
「……それで、落ち着きました？」
「元の目的とは違うけど謎の安心感はあるかな」
「謎の安心感って……」
良いものだと受け取っていいのか分からない。
でも『安心』だから良いものなのかな。
俺といて、安心してくれるなら____
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桐明(プロフ) - にむらさん» 他の作品もなんて、本当にありがとうございます！読んでくださる方には感謝ばかりです……。そうですね……！ (2017年3月27日 11時) (
レス) id: 1ca861306a (このIDを非表示/違反報告)
にむら(プロフ) - 桐明さん» いーえ。他の作品も追いかけさせていただいてます、瀬名のやつは何回読んでも飽きなくて好きです…。男主っていいですよね！ (2017年3月26日 23時) (携帯から) (レス) id: 0ba05dac54 (このIDを非表示/違反報告)
桐明(プロフ) - にむらさん» ありがとうございます……！;;可愛いと言ってもらえてとっても嬉しいです。更新頑張ります！！ (2017年3月26日 23時) (レス) id: 1ca861306a (このIDを非表示/違反報告)
にむら(プロフ) - ２人とも可愛いです…応援してます、更新楽しみにお待ちしてます^^ (2017年3月26日 22時) (携帯から) (レス) id: 0ba05dac54 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：桐明 | 作成日時：2017年3月26日 21時
