検索窓
今日:7 hit、昨日:5 hit、合計:149,350 hit

第121話 ページ49




A「本当に良かったの?私のお礼のはずだったのに…」


風間「気にするな」



どうせあいつらもお前と飯が食いたかっただけだ、と歩調を合わせてくれる蒼也くんは、断固としてお勘定を持たせてくれなかった。

こういう時の蒼也くんは何を言っても譲ってくれないと分かっている。…今度何か別の形でお返しすることにしよう。

三上ちゃんのことを送っていく、と菊地原くんや歌川くんともお店を出てすぐに別れた。


蒼也くんはどうやらこのまま宿舎まで送ってくれるらしく、彼の足はまっすぐ本部の方に向かっている。



沈黙の中で、足音だけが夜の住宅街に響く。

私たちの間には、どこか不自然な空気感が流れていた。


この間彼に初めてついた嘘は、見抜かれているのかもしれない、なんてぼんやりと思った。


_____________

________

___...





A「わたし、は______…私には、分からないよ」



机上の資料に目を落とし、呟いた。

けれどこちらに視線を注ぎ続ける彼の目を見ることは出来なかった。



…何となく、以前から気づいてはいた。

トリオン収支が合わない、その事実にも原因にも。


ぎゅ、とブレスレットを握り締めた。

無性にリアムの声が聞きたかった。



風間「…そうか」



ちらりと蒼也くんの方を窺うと、憂わしげな視線とぶつかる。



風間「なら良い。ただ、そのトリガーのトリオン消費が異様に激しいと言うことだけ覚えておけ。…大規模侵攻の時のようにならないためにも」


A「___うん。ありがとう蒼也くん」



彼のそれが純粋な心配だって分かるから、私は歪な笑みを貼り付けることしか出来なかった。


 

第122話→←第120話



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (80 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
428人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

フォルテ(プロフ) - kasunana__ka10iさん、コメントありがとうございます。続編は先ほどまで準備中でしたが、只今公開しましたのでご覧くださいませ!お待たせいたしました。 (2021年2月18日 18時) (レス) id: d29ecefbc9 (このIDを非表示/違反報告)
kasunana__ka10i(プロフ) - いつも楽しく拝読させていただいています!続編のパスワードはどこでみたらわかりますか? (2021年2月18日 18時) (レス) id: 74459d3d5c (このIDを非表示/違反報告)
フォルテ(プロフ) - ゆかりさん、コメントありがとうございます。少しでもお勉強の励みになれたら幸いです。これからも更新頑張ります! (2021年2月17日 18時) (レス) id: d29ecefbc9 (このIDを非表示/違反報告)
ゆかり(プロフ) - 受験勉強の息抜きに見てるんですが、やっぱり面白いです。これからも応援してます。更新頑張ってください。 (2021年2月17日 15時) (レス) id: 62a35361d3 (このIDを非表示/違反報告)
フォルテ(プロフ) - まるさん、 コメントありがとうございます。読んで頂けて嬉しいです!先程ご指摘いただいた箇所に修正を加えました。主要キャラクターの名前ミスはお恥ずかしい限りです…また誤字や不適切な表現があれば教えて頂けると幸いです! (2021年2月17日 14時) (レス) id: d29ecefbc9 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:フォルテ | 作成日時:2021年2月6日 4時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。