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*番外編 神の国にて7 ページ25




ヒュース「…っおいA、それ以上はやめろ」


A「…えー?」



彼女は頬に首にと俺の手を動かした。

終いには、あろう事か服の中に入れようとするのを慌てて止める。


…手から伝わる温度で、Aの熱が一向に収まっていないことはわかっていたが。



A「…あつくて眠れないの」


ヒュース「それでも布団は掛けておけ。悪化するぞ」



布団を剥ごうとしていた彼女は不満げに唸ると、じゃあ、と俺の手を引いた。



A「いっしょに寝て」


ヒュース「…Aお前な、…」



いつになく弱い力だった。突っぱねることもできた。


それでもお願い、というか細い声に、渋々承諾してしまった。



A「…ふふ、ヒュースのからだ冷たい」


ヒュース「早く寝ろ」



Aの後頭部に手を回してやると、安心したのかふっと眠りに落ちていく。

彼女の吐く熱い息が、首元に当たって少しくすぐったかった。


____________________________


A「なん…えっ、ヒュース?」


ヒュース「くぁ、…どうした?」



至近距離からのAの戸惑う声で目が覚める。

俺もいつの間にか寝てしまっていたらしく、欠伸をながら起き上がると、ぽかんとしたAがこちらを見ていた。



A「いや、どうしたじゃなくて、…ここ、私のベッド、」


ヒュース「…お前が一緒に寝ろって言ったんだろ」


A「…?!」



…どうやら高熱を出していた間の記憶は無いらしい。

説明をすると、「ああ、」と納得したようだった。


聞けば、彼女は定期的に高熱を出すらしく、玄界ではいつも同じ人が看病してくれていたとか。



A「そっか、ありがとうヒュース…あ、私訓練服で寝ちゃったんだ」


ヒュース「俺が着替えさせるわけにもいかないだろ」


A「まあそれもそうですよね…」



時間的に夕食だよね、という彼女に続いて階段を降りると、既に食卓には家の者たちが集まっていた。



「ヴィザ翁から聞きましたよ、Aが熱を出していたと」


A「はい。体調管理を怠り申し訳ありません、明日からまた訓練に精励します」


「ふふ、時には体調を崩すこともありましょう。回復したのなら何よりです。ヒュースは看病には不慣れだったでしょう、大変でしたか?」



少し考えて沈黙した。…上気した頬、ぼんやりとこちらを見る瞳、手から伝わる肌の柔らかさを、ふと思い出す。



ヒュース「………………いえ、そのようなことは」



A「(絶対大変だったんじゃない…)」


 

第104話→←*番外編 神の国にて6



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フォルテ(プロフ) - kasunana__ka10iさん、コメントありがとうございます。続編は先ほどまで準備中でしたが、只今公開しましたのでご覧くださいませ!お待たせいたしました。 (2021年2月18日 18時) (レス) id: d29ecefbc9 (このIDを非表示/違反報告)
kasunana__ka10i(プロフ) - いつも楽しく拝読させていただいています!続編のパスワードはどこでみたらわかりますか? (2021年2月18日 18時) (レス) id: 74459d3d5c (このIDを非表示/違反報告)
フォルテ(プロフ) - ゆかりさん、コメントありがとうございます。少しでもお勉強の励みになれたら幸いです。これからも更新頑張ります! (2021年2月17日 18時) (レス) id: d29ecefbc9 (このIDを非表示/違反報告)
ゆかり(プロフ) - 受験勉強の息抜きに見てるんですが、やっぱり面白いです。これからも応援してます。更新頑張ってください。 (2021年2月17日 15時) (レス) id: 62a35361d3 (このIDを非表示/違反報告)
フォルテ(プロフ) - まるさん、 コメントありがとうございます。読んで頂けて嬉しいです!先程ご指摘いただいた箇所に修正を加えました。主要キャラクターの名前ミスはお恥ずかしい限りです…また誤字や不適切な表現があれば教えて頂けると幸いです! (2021年2月17日 14時) (レス) id: d29ecefbc9 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:フォルテ | 作成日時:2021年2月6日 4時

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